先週行った「第三回 尼僧と学ぶやさしい仏教講座」では、仏壇をテーマにお話しさせていただきました。みなさん、とても熱心に聞いてくださり、仏壇に対する関心の深さを感じました。仏壇の前で手を合わせて静かに座るひとときは、ご先祖への供養はもちろん、祈る側にとっても大きな功徳があると思います。
そのためには、まず仏壇周辺の環境を「心安らぐ」ものに整えることが大切です。また、慌ただしい時間の中で、ただ習慣的にお仏飯を供え、おリンをチーンと鳴らしておしまい・・・というのだったら、落ち着ける時間ができるまでお仏飯は待っていただいた方が良いでしょう。仏教では形式よりも「心」や「気持ち」を大事にします。仏様も私たちの形だけの仏飯ではなく、真摯な気持ちを受け取っていらっしゃるのですから・・・
まずゆったりと座って、蝋燭を灯し、その日の気分にあったお線香を焚きましょう。お線香は仏様へのご供養というだけではなく、私たちの心を優しく包んでくれるものです。お線香の専門店で一番小さな束を買い、いろいろ試して、お気に入りのものを探してみましょう。蝋燭の炎のゆらぎとお線香の香りで、きっと癒されることでしょう。
お気に入りの香りが見つかるまで、もしかしたら何回か失敗もあるかもしれません。そんなときは、どうぞ残りをお寺に持ってきてください。お線香の「献香」はいつでもとてもありがたいものです。
・今日の写真はカナディアンロッキーの中でも特に神秘的なことで知られるエメラルド湖です。