先日、ご近所のお寺で行われたお施餓鬼の法要に、若い方や子供たちが参列していたのを嬉しく思ったというお話しを前回書きました。
実は、その時に思ったことがもう一つあったのです。法要に参加していた大人の方のほとんどは、喪服としても着られそうな黒系のセミフォーマルな装いでした。やはり、法要に参列することが「公式」の行為と考えられているからでしょう。
一方、小さな子供や高校生ぐらいまでの生徒も何人かいたのですが、服装はまちまち。家でくつろいでいたのに、そのまま連れてこられた・・・という感じの子供がほとんどでした。でも、一人の女の子の服装がとても印象的でした。おそらく幼稚園の年長組ぐらいでしょうか。上下とも黒の単色。でもブラウスはかわいらしいフリルがついていて、スカートもフンワリ。これなら黒色でも喜んで着たのではと思います。こんなデザインで真っ黒というのは「おしゃれすぎる」感じですから、ひょっとしたらお母さんの手作りかも?
カナダのキリスト教徒の家庭では、子供たちに「サンデースーツ」と呼ばれる服を用意します。日曜に教会へ出かけるときの、ちょっと大人っぽいカッチリしたデザインの服です。男の子はスーツもどき、女の子もスカートは少し長めです。
このサンデースーツに着替えることで、「教会へ行く」というのが特別なものになるのでしょう。
お子さんたちが法事に参加するときは、ぜひ、この「少し大人っぽい、渋い色合いの服」を用意してあげてください。どんどん成長するのですから、高い素材やブランド品である必要はないですが、「きちんとした服装でお参りをする」という習慣を子供の時からつけてあげるのは、子供の自信にもつながると思います。
ただし、ふだん「お寺に遊びに来る」ときは、どうぞ気軽な服装できてくださいね!「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の時も同じです。ぜひ気軽な普段着でおいでください。気軽にお寺に立ち寄るときと、きちんとした宗教行事に参列するときの、「ハレ」と「ケ」の区別を暮らしに残したいものです。
〇今日の写真は京都の寺町にある誓願寺の扇塚。芸事の上達を願って、使い終わった扇を供養する塚だそうです。