慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

不思議なご縁で慈雲寺に

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 11月19日の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」で、神仏習合のお話しをしようと思っています。私は以前から神仏習合から、神仏分離廃仏毀釈へとなだれ込んでいくプロセスに深い興味を持っています。日本が幕末から明治にかけて体験した世界史上でも珍しい宗教弾圧のことは、もっと知られて良いと思うのですが・・・

 今朝は、廃仏毀釈についてアメリカ人の学者が研究した論文を読んでいたのですが、なんとそこに、私の許婚だった方の高祖父に当たる方の名前が出ていたのです。家系図を見せてもらったことがありますし、研究対象になっている藩の重役だったことも聞いていたので、同一人物と思われます(かなり珍しい名前なので)。その高祖父の方は、なんと、当時、日本で最も激しく廃仏毀釈の政策を実施した方だったのです。

 私が婚約をしていたころは、相手のご家庭の宗教的な背景など、考えてみなかったのですが、当時の婚約者は後に儒教思想の研究者になりましたから、その方は儒家の御家柄だったのかもしれませんね。

 その方と結婚していたら、今、こうして僧侶でいることはほぼ100%なかったでしょう。不思議な気持ちです。

 縁が結ばれたり、離れたりするのは世の常です。私たちが背負っている業の働きというものは、なかなか予測ができないし、不思議としか言いようがありません。しかし、自分で作った業の結果は自分で引き受けるしかないというのが仏教の考え方です。良い行いには良い結果、悪い行いには悪い結果が業となって積み重なっていくのです。

 まあ、許婚の方と結婚できなかったのは悲しいことではありますが、それがなかったら、こうして慈雲寺に赴任して、阿弥陀様の御傍に仕える生活もなかったと思うと、結果的には、「ああ・・・これで良い、これで良い」と思えるのです。

 さて、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」に興味を持ってくださった方は、19日、10時から始めます。どなたでもお気軽にご参加ください。

◎今日の写真は去年郡上八幡で出会った紅葉です。