今朝、掃除をしながらぼんやりラジオを聴いていたら、ある葬祭会館のCMが流れてきました。子供の声で、「おばあちゃん、私がおばけが嫌いなのは、知ってるでしょ。でもおばあちゃんならおばけでもいいよ。」というような内容です。
祖母を送る子供の気持ちという設定なのでしょう。
しかしねぇ・・・極楽へ往生したおばあちゃんは、おばけになって戻ってきたりしませんよ。こんなCMが作られるということは、「極楽往生」について、僧侶がもっときちんと説かないからですよね。
極楽に往生した衆生は、阿弥陀仏のもとで仏になるための修行に入ります。これが菩薩です。菩薩の修行の最も大切なものは「慈悲」や「利他」です。そのため、菩薩はしばしば自らの成仏を先延ばしにして、まだ阿弥陀仏のお慈悲に気づけない衆生を助けるために此岸へ戻ってくるのです。
観音菩薩や勢至菩薩だけでなく、この世にはたくさんの菩薩が極楽と娑婆を行き来しています。どのような姿でかは様々でしょう。
おばあちゃんが戻ってくるとしたら、菩薩で戻って来てほしいなぁ・・・その葬祭会館で葬儀をしたら、お化けになって(往生でずに魂魄が娑婆をうろついている)ということになるのかなぁ??これ、ぜんぜん宣伝になってないでしょ?
◎今日の写真は、京都の永観堂の柱に描かれた極楽の華です。