このブログや新聞の随想にも何度か書いたのですが、僧侶として全方向で「ろくでなし」の私ですが、目標としている「朗らかな独居老人」は何とか達成できそうです。
もちろん、気持ちが深く落ち込んで眠れない日もありますが・・・・一人暮らしが辛いと思ったことはありません。
「あそこのお寺の庵主さんは、一人暮らしなのに、いつもニコニコ暮らしてるなぁ。阿弥陀さんと一緒だからかな?!」と、私の暮らしぶり、ふるまいを見て思う人が増えたなら、私の僧侶としての役目は何とか果たせたかなと思います。もっと徳の高い僧侶を目指すべきなのかもしれませんが・・・・
さて、コロナ禍の影響で家族が一緒にいる時間が増えている家も多いことでしょう。これを機会に家族の絆が深まり、楽しい時が過ごせるはず・・・と、思ったら、現実は逆だったと感じる人も少なからずいるようです。
先日、お寺にお参りにいらした方が、「家族と一緒にいると、かえって孤独を感じる」と少し寂しそうにおっしゃっいました。今まで、共有する時間が少なかったので問題を直視せず、先延ばしにしていたことが露わになってしまったからかもしれません。
大勢の知人や友人と飲み会をしている時、カラオケで歌っている時、学校の教室で・・・などなど、たくさんの人の中にいるときこそ、孤独を強く感じることがあります。ラインやツイッターで何十人もの人につながっているようでも、実は空虚なものだと気が付いたときの孤独感も非常に辛いことでしょう。
そんな時はお墓参りがおすすめです。寂しいときに、寂しい場所に行ってどうするんだ?と思うかもしれませんが、自分のルーツを訪ね、ご先祖から受け継いだ生命について考えるのに、お墓参りほど良いきっかけはありません。(この項つづく)
◎今日の写真も、宇治の平等院に咲く蓮の華です。