慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

女性の出家をお釈迦様に提言して下さった阿難尊者 part 1

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お釈迦様の臨終の様子を描いた「涅槃図」に登場する阿難尊者。長谷川等伯の描いたこの絵では、少しおじさん(?)ぽく描かれていますが、美しく、弱弱しい感じの若者に描かれることも多く、「元祖美坊主」なんて言われています。

 

 今日(7月11日)から、中日文化センターの鳴海教室で、「尼僧と学ぶやさしい仏教入門」の講座を行うことになりました。この講座は三回でいちおうひとまとめになっているのですが、いつ始めても大丈夫なように構成しようと心がけています。

 慈雲寺で毎月行っている「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」では、日常生活の中から話題をとりあげて、仏教のものの考え方、見方をお話しています。一方、中日文化センターの講座は、仏教の歴史や教えの広がりを段階を踏んでお話し、仏教の全体像を把握する基礎固めをすることを目標としています。

 な~んて偉そうなことを言ってしまいましたが、難しいお話はたくさんの優れた仏教学者の方々の書かれた本や講演におまかせして、私は自分の「こんな風に教えてくれる仏教が好き!」という気持ちをお話しようと思っています。

 

 7月からの夏期講座は、「大乗仏教の誕生と浄土教の発展」についてお話します。個人の悟りから、生きとし生けるもの全てを救う教えとして展開してきた大乗仏教。そして理想の修行の場として阿弥陀如来薬師如来など、多くの仏様が私たちのために用意してくださった「お浄土」とは何なのかについてお話できるように準備しています。

 

 その準備過程は、私にとってもとても良い機会となりました。改めてお釈迦様が生きておられた時代のこと、お釈迦様の最初の弟子たちのこと、教えの広がりかたなどを学びなおすと、ずいぶん忘れていたことも多く、新鮮な驚きと喜びを味わいました。

 お釈迦様の直弟子についての話もとても興味深い!とりわけ、阿難尊者のことはおもしろくて、より深く知りたくなりました。この阿難尊者は記憶力の非常に優れた人で、この人がお釈迦様の教えを記憶していたからこそ、私たちが今、経典を通してお釈迦様の教えに触れることができるのです。実は、女性の出家を許すようにお釈迦様に提言して下さったのも、この阿難尊者だそうです。まさに私の恩人ではないですか!(つづく)