慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

今日で彼岸明け

 今日(9月26日)で秋の彼岸明けです。皆さんはこの一週間、どのようにお過ごしになられましたか?

 朝晩は少し過ごしやすくなりましたが、日中はまだ「真夏日」が続きました。慈雲寺の墓地には、新しいお花がお供えされているお墓が多く、お参りにいらした方が多いのだなぁと、とても嬉しくなりました。

 現世(此岸)と極楽(彼岸)は、遠いようで実はとても近いそうです。7世紀に中国浄土教を確立した善導大師の説いた「二河白道」と呼ばれる譬話によれば、此岸と彼岸の間に流れている河は、ほんの5~60歩ほどの川幅しかないそうです。

 でもその河は人間の貪欲さが激しい波になって渦巻いていたり、怒りが炎となって燃え上がっていたりして、とても渡れそうにないのです。しかし、火の河と水の河の間に15センチほどの幅の白い道があります。私たちは、この「念仏の道」を通って、此岸から彼岸へ渡っていくのです。

 今年のお彼岸の期間中は、この譬話を絵に表した「二河白道図」を展示しました。お彼岸中に法事を務めた時は、この絵の説明をして、お彼岸の意味を考えていただきました。

 細い白い道は、狭くて心もとない感じもしますが、此岸からはお釈迦様が「この道をまっすぐ進め」と勧めて下さっているし、彼岸からは阿弥陀仏がもう途中まで迎えに来て下さっています。安心して、白い道を歩いていきましょう。

 

 お彼岸の間だけではなく、いつも私たちは火の河、水の河を意識しながら、穏やかな念仏暮らしをしていきましょう。