慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「神さま」じゃなくて「菩薩さま」だがやぁ~~

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ー昨日のブログ記事「なんまんだぶは縁起が悪い?」の続きです。昨日の記事からお読みいただけたら幸いですー

 

 「いい部屋ネット」のテレビCMで考えされたことを昨日書きましたが、さっきもテレビからそのCMが流れました。それで改めて気が付いたのは、「面接をひかえた私の前に突然現れたかわいい神様」というナレーションが流れることでした。「神様」????CMに登場したのはかわいらしい顔をしたおばあさんが手を合わせて「なんまんだぶ、なんまんだぶ」って言ってるんですけど・・・・う~~ん・・・それを言うなら「私の前に現れたかわいらしい菩薩さま」でしょ??

 まあ、日本では神仏混交の歴史が長いし、神様も仏様もいっしょなのかもしれないけどねぇ。

 極楽へ往生した人も、現世に生きる人々が阿弥陀仏の願いに気づき、お慈悲につつまれていることを気付かせるために、しばしば菩薩となって戻ってくるのです。また、この世に生きているうちから菩薩行を実践している人もたくさんいます。「この世の菩薩」の存在と役割について、浄土系の僧侶はもっとしっかり説いていくべきでしょう。

 「なんまんだぶは縁起が悪い」、「良いことをもたらしてくれるのは神様」という”常識”が広まっているのは、僧侶、とりわけ私たち浄土系の僧侶が教えをきちんと説いていないからだと思います。

 お葬式で、「故人も今頃は"天国”から私たちを見守ってくれているでしょう」なんてことをいう人も少なくありません。日本にはキリスト教徒は人口の5%もいないはずなのに、「極楽」という言葉より「天国」の方が身近なのかなぁ・・・

 いずれにしてもたくさんのことを考えさせてくれたこのCMに感謝です。

・今日の写真はアメリカのデンバー美術館で見た、子供のアート作品。「意味」を追究してない感じがいいですね。