慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

慈雲寺の若々しい弘法大師と一緒に一日八十八ヶ所巡礼

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 21日は弘法大師の御縁日です。慈雲寺では、1月21日に初弘法の行事を行っています。

 10時から短い法要と弘法大師のお言葉をご一緒に学んでみましょう。

 また、朝から夕方まで、本堂に四国八十八ヶ所の札所から集めたお砂でお砂踏みもしていただけます。一日で四国を巡礼したのと同じ功徳があると言われていますので、どうぞこの機会にご縁を結んで下さい。

 お砂踏みは何時でもご自由に本堂におあがり下さい。

 四国巡礼は必ず弘法大師が一緒に歩いて下さっていると信じられています。慈雲寺に祀られている御大師様のお像は、非常に若々しいお姿です。おそらく中国の留学から戻ったばかりのころと思われます。

 肌もつやつやして、目もキラキラと輝いています。心と体の若さや美肌やの弘法さんとしてご利益をいただいて下さい。

次の日曜日(1月20日)はお墓について考えてみませんか?

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 「終活」という言葉は週刊朝日が作った造語だそうですが、最近、ますます頻繁に聞くようになりました。多くの場合は、墓地や納骨堂の宣伝や葬儀会館の広告です。

 そのような「終活ビジネス」に踊らされることなく、葬儀やお墓のことを考えてみるのは良いことだとは思うのですが・・・・

 お墓の歴史を振り返り、これからの墓地のありかたなどについて改めてご一緒に考えてみませんか?

1月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は1月20日10時より行います。

 「講座」という名前はついていますが、どなたでもお気軽にご参加下さい。お墓などについて、日ごろ疑問に思っていることなどをお聞かせいただくのも歓迎です。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分に鳴子北駅からバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

阪神淡路大震災の犠牲者を悼む

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 今日は阪神淡路大震災から24年目の日です。新聞の一面は稀勢の里の引退の記事が中心で、震災の記事はとても小さな扱いでした。

 上の写真はネットの無料画像からお借りした阪神淡路大震災当時の写真です。私はその日、たまたま日本にいたのですが、芦屋に住んでいた伯母や従妹たちの無事が確認できるまでの数日間の不安がそのまま蘇ってきました。

 一昨日は関西で仕事をしていて、普段はめったに見ないテレビで偶然、この大震災をテーマにしたドラマを見ました。もう、最初の数分だけで胸がいっぱいになってしまい、二時間の放送中、ほぼ泣きっぱなしでした。あの時、自分はどんなことをしていたのか、何をしたのか、何をすべきだったのか・・・・さまざまな思いが浮かんできました。

 しかし、その番組は(おそらくは予算が限られていたせいだろうと思うのですが)、せっかく芸達者な俳優をそろえていたのに、あまり深みのある作品とは言えませんでした。おかげで(というのも変ですが)、翌日仕事にならないほどダメージを受けなくて良かった(??)かもしれません。

 私は当時、カナダの森林産業関係の通訳の仕事もしていました。日本に輸出されるツーバイフォー住宅用の木材に関連した仕事をいただいていたのです。震災直後に、日本からの注文が増えることは予想できましたから、その動きの中に巻き込まれていった自分のことも思い出しました。最初に出版された被災地の写真を集めた雑誌や新聞をかかえて慌ててカナダに戻り、ツーバイフォー住宅の耐震性に関心のある森林産業関係の人たちに見せなければならないと考えたからです。

 その程度のかかわりしかなかった私でさえ、さまざまな思いが重く心に響く一日だったのですから、被災者の方々の思いは私には到底計り知れません。24年で「風化」してしまうものではないでしょう。

 今日は朝と夕方、心を込めて犠牲者の方々のご供養をさせていただきました。

1月21日は、初弘法の一日八十八か所巡礼と満月写経の日です。

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 慈雲寺では年に三回、一日で四国八十八か所の巡礼をしたのと同じ功徳があると言われているお砂踏みをしています。

 第一回目は1月21日です。10時から、短い法要と弘法大師さまのお言葉を題材にしたお話をさせていただきますが、お砂踏みは朝から夕方まで、いつでもお参りいただけますので、ぜひご参拝下さい。

 慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属していますので、本来ですと弘法さまをお祀りするのは不思議なのですが・・・慈雲寺は今は名古屋市の一部ですが、もともとは弘法大師信仰の盛んな知多半島の文化圏に入っているためと思われます。

 慈雲寺の大師像は、目のキラキラしたお若いころのお姿。中国から密教の奥義を日本に伝えたころのお姿ではと想像しています。学問だけでなく、お肌の悩みにも功徳を与えて下さると思います。

 お砂踏みは、慈雲寺にご縁のある方が、四国の巡礼をなさっている時に、少しずつ持ち帰って下さったものです。ぜひ一日巡礼を体験なさってください。

 また、慈雲寺では、毎月の満月の夜7時半からお月見を兼ねた「満月写経・写仏の会」を行っています。1月の満月は21日です。

 慈雲寺の写経は初心者の方でもお気軽にご参加いただけます。慈雲寺の本堂の廊下からは美しい月が空を移動していくのがたっぷりと楽しめます。冬の月も美しいものですよ。

 7時半からご一緒に『般若心経』を読誦し、毎月少しずつ心経の内容についても学びます。7時半に間に合わない方は、何時からおいでになっても結構です。

 慈雲寺には、いつでも気持ちが動いた時に写経をしていただけるように机や用具をご用意しています。


◎慈雲寺への交通アクセス


 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」又は「緑循環 藤田保健衛生大学病院行き」に乗ってください。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。
●地下鉄徳重駅からも郷前に停まるバスがあります。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。
●JRの大高駅又は南大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。1時間に1本ですので、時間をご確認下さい。(最終は16時台ですのでご注意下さい)
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

1月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のお知らせと、慈雲寺へのアクセスのご案内

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 1月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、1月20日(日)10時より行います。お墓についてご一緒に考えてみたいと思います。

 先日、新聞に「子供たちにお墓のことで苦労させたくない。」というのをキャッチフレーズにした納骨堂の宣伝チラシが入っていました。

 お墓は本当に「苦労の種」でしかないのでしょうか?

 慈雲寺にも小さな墓地がありますが、年末にお墓を綺麗に掃除し、新年に改めてお参りに来る方がたくさんいらっしゃいます。その方々の表情は皆、穏やかで「気持ちがさっぱりした」という感じを受けました。義務感だけで、嫌々いらしているかたはごく少数のように思います。

 あまり先回りして、お墓を「負の遺産」と決めつけてしまって良いのでしょうか?しかし、現実問題としてお墓を受け継いでくれる人がいなくなったらどうすれば良いのでしょう?

 墓地の歴史を振り返り、墓地の存在意義について、ご一緒に改めて考えてみませんか?

 「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、名前は”講座”ですが、どなたでもお気軽に参加していただけます。

 慈雲寺での行事は全て無料ですが、仏さまへのご供養とお寺の維持のために、お気持ちをご喜捨いただければ幸いです。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。
 ★鉄道、バスのアクセス
 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分に鳴子北駅からバスが出ます。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発と10時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

雪舟と狩野元信にかこまれて、至福の夕べ Part1

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 昨日は、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山光明寺で勉強会があったので、長岡京まででかけました。勉強会は五時前には終わったので、京都博物館へでかけることにしました。

 このごろ、金曜や土曜に開館時間を延長する博物館や美術館があるのは増えているのは嬉しいことです。特に、特別展のない常設展だけの時は人も少なく、静かな雰囲気の中でたっぷりと美しいものに囲まれるという、最上の贅沢を味わえます。

 京都博物館では、こういう常設展の時に却って学芸員が張り切っている様子が感じられることがしばしばあります。京都博物館の所蔵品の中から選りすぐりを出してくるのでしょう。

 昨日は、6年ほど前に京都博物館にまとめて寄贈された中国の陶磁器のミニ展覧会が目的でした。ようやく整理が終わって図録も制作されたので、ようやくお披露目ということでしょう。国宝や重文に指定されたものはないようでしたが(もしかしたら審査中?)、どれも正に逸品ばかり。青磁白磁の大好きな私には「ムフフフ」と変な笑いが出てしまうほど嬉しい展示でした。

 しかし、博物館の入り口で「今日の展示品」という案内を見てビックリ!なんと雪舟の『慧可断臂図』が展示されているというのです。エレベーターの行先ボタンを押すのももどかしいくらい大興奮。この絵のことは以前にも書きましたがjiunji.hatenablog.com/entry/2018/06/26/225116  見れば見るほど色々考えさせられる絵です。

 もう何度も見てはいるのですが、『雪舟展』のような時に見たので、いつも周辺にはたくさんの人。雪舟の作品でも特に人気がある絵ですから当然なのですが・・・

 しかし!昨日は、ほとんど人影もまばら・・・・展示室に私以外の誰もいないという時間が何分も続きました。近づいてジロジロ、離れてう~ん・・・椅子に腰かけてジー。誰かに見られたらかなり恥ずかしい状態だったかも。

 でも、いままで展覧会で見ても、本などに掲載された絵などを見ても気が付かなかったことに気が付きました。

 この絵は墨絵なのですが、達磨大師と慧可の顔の部分、慧可が差し出している手には彩色されています。切断面には、スッと赤い血の色が描かれていて、なんとも言えない迫力です。

 しかし、今回気が付いたのは、慧可の唇にも紅色が一筋入っているのです。鬚で全然気が付かなかった!雪舟はなぜ、慧可の唇に生々しい色を入れたのでしょう?気になるなぁ・・・達磨大師の方の唇は全く赤みがないのに(ま、色落ちしたのかもしれないけど)

 もし、雪舟が意識的に慧可の唇だけ赤くしたのだったら、なぜでしょうね?

 私は、慧可が弟子になりたいという決意を手を切ることで示した・・・という説明にはどうも納得できないのです。絵の中の達磨大のは「問題はそんなことじゃない。お前の覚悟はそんな風に示すものではない。」と言っているように思えてならないのです。

 慧可の唇の赤さは、何だか彼の俗物性を表してしてないかなぁ???有名な達磨大師の弟子になりたい・・・っていう下心みたいなものが唇の赤さに出てるのでは?

 あ、もちろん慧可はその後、真剣に修行して達磨大師の跡継ぎに相応しい僧侶になったのですが。

 昨日が稀有の夕べだったのは、この雪舟の絵のせいだけではないのです。同じ展示室に、なんと狩野元信の代表作の一つ『浄瓶踢倒図』もあったのです。これは図録でしか見た事がなかったので、本物にお目にかかるのは初めて。これも独り占めでたっぷりと鑑賞しました。元信のことは次回のエントリーでお話します。

 

 

 

 

麗珠院薔薇清薫大姉 (兼高かおるさん)を偲ぶ

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 「れいしゅいんそうびせいくんたいし」は、今朝、訃報がメディアで報じられた兼高かおるさんの戒名です。本名のローズからとられたと思われる「薔薇」という文字の入った美しい戒名ですね。

 兼高さんは、非常に多くの人々に深い影響を与えた方ですが、私もその末端の一人です。家に白黒テレビしかなかった時代に、毎週見ていた『兼高かおるの世界の旅』は、「旅行ジャーナリスト」という仕事のあることを私に教えてくれました。私が、ライターになったきっかけと言っても過言ではないでしょう。

 初めてパンナムの飛行機に乗った時も、兼高さんのことを思い出していました。

 10年ほど前に、旅行関係の業界紙の取材で、ほんの短い間でしたが兼高さんにお会いすることができました。すっかり上がってしまった私は、ろくな質問もできずじまいだったのですが・・・彼女の上品な美しさと、凛々しい"老い”の姿は強く印象にのこりました。

 その経験もあって、兼高さんが名誉会長をなさっている日本旅行作家協会に入れていただけたときは、ほんの少しだけ兼高さんにお近づきになれたような気がして、とても嬉しく感じました。

 兼高さんのように、一つ一つ丁寧に仕事をしていかなければならないと、今、改めて考えています。

 今日は静かにご冥福を祈りたいと思います。