慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

明けましておめでとうございます🌸一月の慈雲寺の行事予定

新年のお喜びを申し上げます。

 除夜と修正会の法要を3人の方々と静かに行うことができました。法要を終えて、ゆっくりと入浴、熟睡しました。すっかりお寝坊。一年の始まりを「寝坊」というのは少々恥ずかしいかな?「のんびり」でスタートするもの悪くはないか・・・・

 今、お節料理を母といただいたところです。皆さまからいただいた黒豆、お餅、野菜、ミカンなどなど、ぜいたくなお正月料理になりました。ありがたいことです。

 

 さて、一月の慈雲寺の行事です。

1月7日 夜7時半より 満月写経の会

 慈雲寺では、いつでも写経をしていただけるように本堂に用意してありますが、毎月一回、お月見を兼ねた写経の会を行っています。冬の月も味わい深いものですよ。

 7時半からご一緒に『般若心経』を読誦し、毎月少しずつその内容についても学んでいきます。

 めにおいでになっても良いですし、読経に遅れてもかまいません。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加下さい。必要な道具は全て用意しています。

 

1月15日 10時より 尼僧と学ぶやさしい仏教講座

 慈雲寺では毎月、身近な話題を取り上げて、仏教のものの見方、考え方、歴史などの基本をご一緒に学んでいきましょう。

 今月のテーマは、「鎌倉仏教の祖師たち」です。現在、私たちの身近にある伝統仏教の宗派のほとんどは鎌倉時代に生まれたものです。日本の宗教改革時代ともいえる、この時代に生まれ、それぞれ特徴のある宗派を開いた祖師たちのお話をいたします。

 「講座」という名前はついていますが、どなたにも分かりやすいお話を心がけておりますので、お気軽にご参加ください。

 

1月21日10時より 初弘法

 慈雲寺は、住所は名古屋市にありますが、弘法大師信仰の根強い知多半島の文化圏に位置しています。そのため、本堂の左手には弘法大師がお祀りされています。

 1月21日は、今年初めての弘法大師の御縁日ですので、短い法要をして、お大師さまのお言葉をご一緒に学んでみましょう。

 また、当日は四国八十八か所から集めてきたお砂を踏んで、ご利益をいただくお砂踏みも体験していただけます。四国巡礼したのと同じ功徳があると言われています。

 お砂踏みは一日中、いつでもお参りいただけます。

 

★鳴海中日文化センターの講座

 名鉄鳴海駅前の鳴海中日文化センターで、「尼僧と学ぶやさしい仏教入門」という講座を毎月第二日曜1時半より行っています。

 この講座は、慈雲寺での講座をより深め、一つのテーマを掘り下げていこうというものです。三回の講座で一つのテーマを学んでいきます。

 今回のテーマは「葬儀と仏教」です。

 今の日本の仏教は「葬式仏教」などを揶揄されることが多いようです。また、家族葬直葬など、葬儀の形にも大きな変化が出てきました。

 しかし、葬儀は「人の死」という周囲に大きな影響を与える特別な状況です。この「特別な状況」をいかに乗り越え、いかにその後の人生に生かしていくのかという智慧を仏教は教えています。

 世界の宗教における葬儀や、日本に古来から伝わる「死」への考え方などを見渡しながら、葬儀と仏教の問題を学んでいきましょう。

 ご興味のあるかたは、電話0120 - 538 - 763へお問合せください。

除夜の法要と修正会のご案内

残念ながら慈雲寺には釣り鐘はありませんが・・・


 年の瀬もいよいよ押し迫ってきました。まさに「師走」で、名古屋一ヒマなお寺というのが冗談ではない(とほほ)慈雲寺住職も走り回っています。

 

 しかし、一年の最後はゆっくりと阿弥陀様のおそばで、この年の反省をし、心に積み重なった煩悩の垢をいったん落としませんか?

 いったん煩悩や心のこだわりを手放して、新しい年を迎えましょう。

 有名な寺院や大きな神社で年越しをするのも良いですが、慈雲寺のような静かな場所で一年の振り返るのも良いものです。

 修正会は一年の最初に行う法要のことです。ぜひご一緒に、静かに新年を迎えましょう。

 

 12月31日23時45分より法要を始めます。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加くださいませ。

 写経の用意もいたしますので、写経で年越しもおすすめです。

大掃除をしていたら空海さま登場! Part 1

 慈雲寺の大掃除は続行中です。一昨日からなんとも強力な助っ人まで現われて本当にありがたく思っているところです。それでも年内に終わるかなぁ~~~(泣)

 ところで、寺務室の片づけをしていたら、空海さまのお言葉を集めた本が出てきました。古本屋さんはアマゾンなどで、どんどん仏教関係の本を買っていた時があるのですが、あまりに手当たりしだいに買ったので、入手したこと自体を忘れている本も少なくありません。

 この空海さま関連の本は、おそらく弘法大師の御縁日の法要の時に、皆さんに空海さまのお話をしようと入手したのでしょう。たぶん、一回か二回使っただけで行方不明になっていた・・・本当にもったいないことです。

 本のタイトルは『空海 人生の言葉』です。川辺秀美という方が、空海さまの著作の中から教えの中核となるような言葉を選び、現代語に翻訳しています。川辺さんの翻訳は品格がありながら、柔らかで、空海さまのお人柄を良く伝えているように思います。

原文もついていますし、難しい読み方の字にはふりがなもついていて、なんともありがたい本です。

 例えば、人間の心について空海さまはこんなことをおっしゃっています。

 

「心病衆しといえどもその本は唯一つのみ。いわゆる無明これなり」(秘密曼荼羅十住心論)

「心に関する悩みは多いといっても、その根源はただ一つしかありません。

 無明です。つまり私たちは何の明かりも燈さずに道をあるいている、無知な存在なのです。」

 

 無明は私たちのかかえる「苦」の根源だと仏教では教えています。これを「何の明かりも燈さずに道をあるいている」状態と訳すのには議論もあることでしょうが、すっきりした譬えだと思います。

 

 この本の冒頭には、仏教の基本的なものの見方や空海さまの教えの基本はわかりやすく説明された「解説」部分もあります。大掃除が一息ついたら、じっくり読んでみたいと思います。

 

大掃除には仏壇の掃除もお忘れなく

 今日は冬至ですね。これから先は、毎日少しずつ昼間の時間が長くなってきます。寒いのは苦にならないけれど、日の出が遅いのは冬の苦しみですね。

 さて、今年もあと10日足らず、毎日ぼんやり暮らしている私もお掃除に励んでいます。

 大掃除の時は、お仏壇や神棚の掃除も忘れずに行いましょう。仏壇の中はまちろんですが、周囲に置かれている物を整理するとスッキリしますよ。

 古くなって少し曲がってしまったようなロウソクや、何年も前から置いてあるお線香などはありませんか?もし捨てるのに躊躇するようでしたら、菩提寺の和尚様に引き取ってもらえるかどうか相談してみてはいかがでしょう?

 もちろん、好みのお線香しか使わない!というお寺もあるでしょうが・・・・慈雲寺では、お線香やロウソクのご寄付は大歓迎です。お線香は古くても十分役にたちますし、まっすぐでなくなってしまったロウソクでも大丈夫。ロウソクの大きさも、どんなものでも歓迎です。朝のお勤めの時に喜んで使わせていただきます。

 

 

終い弘法とお砂踏み

お砂踏みは四国八十八カ所巡礼と同じ功徳があると言われています

 

 慈雲寺は現在は名古屋市に位置していますが、周辺はもともと知多郡の一部。弘法大師の信仰の篤い知多半島の文化圏にあります。

 そのせいもあって、慈雲寺は浄土宗西山派西山浄土宗)に属する寺院ですが、弘法大師のお像もおまつりしてあるのです。

 毎月21日は弘法大師のご縁日ですが、慈雲寺では年に三回、1月の21日(初弘法)と旧暦の御正当日、そして12月21日(終い弘法)に短い法要を行っています。毎回、弘法大師の教えについても少しずつ学んでいます。

 また、縁日には、四国の八十八カ所巡礼地からいただいてきたお砂を踏んで、巡礼したのと同じ功徳をいただけるという「お砂踏み」も体験していただけます。

終い弘法は12月21日10時より。初弘法は1月21日10時より行います。

また、お砂踏みは両日とも本堂が開いている時間はいつでもお参りしていただけます。

 どなたでも歓迎いたしますので、ゆっくりお砂踏みをなさって、弘法さまとのご縁を深めて下さい。

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは鎌倉仏教です。

 上の絵は元寇の時に、元の兵士たちと戦う鎌倉武士の様子を描いたものです。今年のNHKの大河ドラマのテーマにもなり、鎌倉時代が注目されています。

 律令政治から武士の時代への変化、元寇という未曽有の国難、そしてまさに末法の時代の到来を思わせる自然災害や疫病などなど、鎌倉時代は日本が大きく動いたときでした。

 このような社会政治的な歴史の動きは、日本の宗教界にも大きな影響を及ぼしました。宗教革命の時と言って良いでしょう。浄土宗、浄土真宗曹洞宗日蓮宗などをはじめ、現在の日本の伝統仏教教団の多くがこの時代に生まれています。

 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、鎌倉仏教の生まれた背景をお話します。

12月18日(日)10時より行います。

 どたなでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加下さいませ。

☆慈雲寺へのアクセスのご案内


 慈雲寺には十分な駐車スペースがありません。おそれいりますが、なるべく市バスをご利用ください。自動車でおいでの方は、有松インターを降りたところにある、有松ジャンボリーというショッピングモールの駐車場を利用して下さい。そこから慈雲寺へは徒歩7分ほどです。

 

 市バスはJRの南大高駅1番乗り場から「鳴海12 有松町口無池行」9時29分発があります。

 また、名鉄の有松駅からは2番乗り場から9時40分発の「有松11 有松町口無池行」があります。

 地下鉄の鳴子北駅の3番乗り場から9時26分発の有松口無池行も利用できます。

 

 いずれも「郷前」(ごうまえ)で下車してください。郷前の交差点の南東角に整骨院があります。その後ろに慈雲寺の屋根が見えます。整骨院の右手に狭い道がありますので、そこを上がってください。

鎌倉仏教に大きな影響を及ぼした中国僧たち

五島美術館所蔵の無学祖元の書

 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は鎌倉仏教の生まれた社会的背景や当時の日本の仏教界の状況などの基本的知識をお話しようと思っています。

 その準備のために、いろいろな資料を整理していたのですが、今まであまり興味を持って読むことのなかった資料に偶然であいました。

 その資料は、華厳学研究所所長だった小島岱山氏の書いたもので、鎌倉時代の仏教界において、実は中国からの渡来層たちが大きな役割を果たしていたのだという主張です。小島氏は、鎌倉期を代表する仏教者は法然日蓮ではなく、建長寺の開山である蘭渓道隆(大覚禅師:1213~78)だろうと述べています。

 大覚禅師の最大の功績は、公案に参じることによって悟りを目指す「公案禅」を日本に伝え、それを普及させたことにあります。北条氏は大覚禅師を庇護し、篤く帰依していたとされています。

 小島氏は、この公案禅の普及が、「日本に無の哲学が、とりわけ無の持つ積極的意味が伝えられ、鎌倉武士を通じて日常生活のレベルにまでそれが及び、日本民族が無の自覚を根本とする民族に生まれ変わるきっかけが造られた。」と指摘しています。日本人が本当に「無の自覚を根本とする民族」なのかは疑問の残るところですが、西田幾太郎の哲学や夏目漱石の文学にも大きな影響を与えたのは事実のようです。

 

 大覚禅師の他にも円覚寺の開山である無学祖元(1226~86)や建長寺二世の兀庵普寧(?~1276)など、北条氏の招きで来日した多くの中国僧がいました。

 恥ずかしながら、鎌倉時代にこれほど多くの中国僧が来日し、臨済禅を広めていたことをほとんど知りませんでした。北条氏の招きに、なぜ応じる気持ちになったのかについての資料を探してみたいです。また、これらの中国僧やその弟子たちは元寇の時にどのような行動をとったのか、とても気になるところです。

 

 毎月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」や中日文化センターで行っている「尼僧と学ぶやさしい仏教入門」の講座は、それらの準備をするたびに、忘れていた大事なことを思い出したり、今までと違った角度から問題を見たくなる資料にであったりと、ありがたいご縁が広がっています。

 今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、12月18日(日)10時より、慈雲寺本堂で行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。