慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

3月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は3月17日(日)10時より、お彼岸の法要も兼ねて行います。テーマは「法然上人が開いた『浄土門』とは何だったのか?その2」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

師僧の命日で和歌山へ

f:id:jiunji:20141212215545j:plain

 11日は私の師、橋本随暢上人の命日でした。橋本師は、西山浄土宗の唯一の海外寺院である東漸寺の願主です。私はこの寺ができたとき、地元の新聞の記者として橋本師をインタビューしたのです。そのときに、「あなた尼さんにならないか」と勧められたのが、私の出家のきっかけです。橋本師は20人以上の人々を弟子として育てました。弟子を育てることは、精神的なサポートはもちろん、経済的にも弟子が僧侶となるまで支えなければなりません。橋本師は私にも本当に手厚く心をこめて導いてくださいました。それでいて、恩着せがましいことは一切、一言も言わなかったのです。私は与えられるばかりで、全くご恩返しができないままでした。

 列車が和歌山の海辺に出ると、光が全く変わります。和歌山の海は師僧の心のように温かくて広い。

 橋本師はさまざまな困難にあったとき、いつも「阿弥陀様におまかせしといたらええのや。阿弥陀さんがちゃんとお手配してくれる」とニコニコしていました。私はそれを聞くたび、「そんな気楽なことじゃ済まないだろ?」と思ってしまうこともしばしばでした。でも、こうして紆余曲折あって桶狭間の慈雲寺に赴任することになったのを思うと、やはり阿弥陀さまのお手配なのかなと・・・・

・今日の写真は雪をかぶった伊吹山です。明日からまた岐阜の山岳地帯ではたくさんの雪が降るとか。山奥の友人の寺のことを案じています。