慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

恩師を供養する心

f:id:jiunji:20161010231613j:plain

 Mさんは、あるプロスポーツのコーチです。ご自身もそのスポーツで一流と言われた方で、コーチになってからも数多くの選手をプロに育ててきました。そのMさんが先日慈雲寺においでになり「お世話になった師匠の祥月命日が来るので、御供養をお願いします。」とおっしゃいました。

 慈雲寺の先代のころから毎年お参りにいらしているそうです。私がここに赴任してからは、タイミングが悪くて今日までお目にかかることができなかったのです。

 ご家族、ご先祖の御供養だけでなく、人生のさまざまな面での恩師への御供養をお手伝いさせていただくのは、私にとっても意義深いご縁です。今朝はその恩師のために、私が大好きな『一四行偈』と呼ばれるお経を読ませていただきました。このお経はとても短いものですが、阿弥陀様への信仰のエッセンスがギュッと凝縮されていて、読むたびに心が温かくなってきます。

 Mさんの恩師を思う気持ちは、きっとMさんの周囲にも良い功徳を及ぼしていると思います。この思いは、師匠から受けた指導をMさんがご自分の弟子たちに伝えるときにも「温かさ」「誠実さ」となってお弟子さんの心に伝わっていくことでしょう。

 このように、「供養」はご縁のある方への感謝の姿です。恩師、お友達、そして人生の転機に手を差し伸べてくれた恩人たちへの御供養をおすすめします。祥月命日がきっかけとしては一番良いでしょうが、いつでも、その方のことを思ったときに慈雲寺をお訪ねください。

 本堂で静かに阿弥陀様に手を合わせて、その方を思うだけでもけっこうです。もし、読経をご希望でしたら、お声がけください。いつでも、どなたでも心を込めて御供養させていただきます。

◎今日の写真は、カナダのブリティッシュコロンビア州の中央部に広がる乾燥地帯で見た野草です。