慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

福岡へ巡教に

f:id:jiunji:20161124214134j:plain

 巡教というのは、慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)のトップに立つ御法主の「おことば」を末寺の檀信徒の方々にお伝えする使者として幾つかの寺院を巡ってお説教を行うことです。

 巡教に呼ばれるということは、説教師としてとても大切なお役ですから、とても緊張します。原稿を作って何度も声に出して読んだり、練習もするのですが・・・いざ、檀信徒の方々の前に立つとなかなかうまくいきません。

 巡教の説教は、御法主の「おことば」の内容を解説することが第一の目的です。私はついつい「解説」というところに力が入ってしまい、なんだか授業のようになってしまうのです。

 お説教は「娯楽」ではありませんが、ところどころで笑いが入り、聴いて下さる方々がリラックスして心を開いていただくことが大切です。

 今回は、お十夜の法要の後で私が壇に上がるということになりました。九州では、その年に家族や友人が亡くなられた人のために、和讃を詠って回向をおこなう「初十夜」という宗教的慣習があります。

 このような慣習があることを私は知らなかったのですが、近しい人をお浄土へ送ったばかりの方々の心に哀愁あふれる和讃がしみ込んでいく様子がうかがえました。

 そんな雰囲気の中でもお説教でしたから、いつもにもまして言葉の選び方には慎重にならなければいけないと思い、いつもなら少し冗談めいたお話しもするのですが、それも憚られます。う~ん・・・とても難しかった。

 二番目のお寺では、シーンと静まりかえってしまい、内心焦る私・・・・まだまだ、準備が十分でなかったということですね。反省しきりです。

◎今日の写真は、近江八幡の古い家屋に使われているステンドグラス。テーマは七福神でしょうか?