慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「課金地獄」を垣間見る

f:id:jiunji:20180930094833j:plain 伊勢湾台風並みの大型台風が近づいているそうですが、今、外は静かに細かい雨が降っているだけです。これが「嵐の前の静けさ」というものでしょうか?

 さて、10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は10月21日に行いますが、テーマを「地獄って何?」にしたので、このところ『往生要集』などを読み直しています。

 地獄は今、ここにもある・・・とは良く聞く言葉ですが、現代ならではの地獄とはどんなものががあるかなぁ・・・と考えながらインターネットのニュースを見ていたら、ネットゲームの課金地獄という言葉を知りました。毎月、何万円もネットゲームの課金につぎ込んで、ついには借金で自己破産。食事もろくに取らないので、まさにネット廃人・・・という人もいるらしい。

 現実的なメリットが何もないのに、なぜそこまでお金をつぎ込んでしまうのか、とても不思議に思えました。そこで、ちょっとネットゲームなるものを覗いてみることにしました。複雑なRPGではなく、子供向けと思えるような単純なゲームです。

 しかし!その巧妙な仕組みにビックリ!「無料」でゲームをダウンロードして、始めたのですが、アッという間に、自分の「地位」が上がっていきます。得点によって順位が明確に示されます。本当にリストに掲載されている人がいて、現実にゲームの参加者がいるかどうかも怪しい。でも、いったん「貴方が一位!」などと褒められると、つい、その位置をキープしたくなる気持ちは良くわかります。

 すぐに上位まで登るのですが、それを保持しようと思えば、お金をはらって便利な道具や武器を手に入れなければならない。さらに巧妙なことに、最初の道具は「今なら120円でこんなに便利な道具があなたのものに!」

 地獄の入り口ですね。

 ま、ゲーム自体は単純でぼんやりしたいときに楽しめそう。課金をしないと、高いステージに進めず、いつまでも足踏みですが、それでも今のところ楽しい。足踏みに飽きたら、もうそのゲームともお別れです・・・って、ならずに、120円から借金地獄へ真っ逆さまの人も多いのでしょう。

 しかし、人を誘い込むテクニックというものは恐ろしいものですね。地位や名誉は、たとえそれが、まったくの仮想空間のものであってさえ、大きな力をもっていると思い知りました。くわばらくわばら

◎今日の写真も、大阪市立陶磁器博物館で見た鼻煙壺です。これは瑪瑙でできているようです。