慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

来年は「恵方巻」やめませんか?

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 立春です。今朝はポカポカ暖かくて、庭の梅のつぼみもふっくら・・・私は太陽暦の一月一日よりも、やはり立春を一年の始まりとして「新春」を祝う方が良いような気がします。

 本堂や地蔵堂の仏花を入れ替えて、新春を仏さま、菩薩さまたちと共に喜びたいと思います。

 昨夜遅く、インターネットのニュースを見ていたら、すでに恵方巻の廃棄物が処理場にたくさん運び込まれ始めたという記事が出ていました。

 私はこの「節分に恵方巻を食べる」ということをとても胡散臭いものだと思っています。

 恵方巻はまるで伝統的な慣習のように宣伝され、「恵方巻を食べなければ縁起が悪い」というような気分になるほど、強烈なキャンペーンが行われます。でも、その起源は極めてあいまいです。 1980年代の終わりごろにコンビニチェーンの一つが初めて「恵方巻」という言葉を使ったと言われていますが・・・・

 コンビニが作った「トレンド」の一つに乗せられているだけだとしたら、情けない話です。まあ、そういったマーケティングはほかにもたくさんありますね。バレンタインデーのチョコを職場の男性全員に配る"義務”とか、ホワイトデーにマシュマロとか・・・もう逆らうのはかえって面倒というところまでくれば、キャンペーンも成功というところでしょう。

 「今日の夕食はコンビニで買ってきた恵方巻にするね。」と言って、一食簡単に済ませられるなら、まあいいか・・・でも、「恵方巻を食べないと縁起が悪い」なんて思う人がいたら問題です。

 平安貴族をはじめとして、日本人は「方位の吉凶」というものに長い間縛られてきました。日が悪い、方角が悪い・・・と、わざわざ遠回りして出かけたり、方違えの神社のお参りしたり・・・

 法然源空上人(法然上人)は、そうした慣習に苦しんでいる私たちの心に、「本当に大事なことはそんなことではない」と言い切った方です。阿弥陀仏の慈悲の力は、恵方がどうしたというようなことに左右されないからです。

 来年は恵方巻をわざわざ食べるのはやめませんか?おいしい海苔巻きを楽しんで食べるなら良いのですが、恵方を探して、その方向をに向かって一気に丸かじり・・・って、よく考えたら相当不気味というかみっともない姿ですよね。ましてはコンビニ業界のマーケティング戦略に乗せられているのだとしたら・・・・

◎今日の写真はネットの無料画像からお借りしました。ちょっとおいしそうですね。今夜は海苔巻きでも作りたくなりました。一気に頬張ったりしませんが・・・