慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月16日(日)10時よりおこないます。テーマは「自業自得・・・『業』って何でしょう?」です。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

極楽はけっこう忙しい所?!

f:id:jiunji:20210415075933j:plain

當麻曼荼羅

 上の写真は奈良の当麻寺に伝わる當麻曼荼羅の複製です。この曼荼羅は『観無量寿経』に基づいて極楽の様子を描いたものです。曼荼羅ですから、細かい一つ一つの表現に象徴的な意味があると考えられています。

 この曼荼羅を見ると、なかなか極楽や良いところのようです。そこへ迎えとっていただけるのは、なんともありがたいなぁ!

 でも、よく見るとのんびりしている様子でもありません。私たちは温泉などに入ってのんびりしているときに「極楽、極楽・・・」なんて気分になりますが、當麻曼荼羅の中の菩薩たちはとても嬉しそうですが、なんだか忙しい感じ・・・

 イスラム教の聖典コーランに描かれる天国では、男性たちは美しい女性にかこまれ、冷たい泉とおいしい食事でのんびりしているようですが、極楽の様子はずいぶん違います。

 極楽はリラ~~~ックスする所ではなく、極く楽に修行のできる場所のようです。末法の時代に生きる凡夫にとっては、お釈迦様が8万4千種類も悟りへの修行の道を示して下さっても、なかなかその道を究めることができません。それを哀れんだ阿弥陀仏が、理想的な環境を整え、そこに迎えとって下さることを約束して下さいました。

 それが「極楽」です。當麻曼荼羅の中では、菩薩たちは本当に嬉しそうに阿弥陀仏のお説教を聴き、修行を続けているのです。極楽での修行はけして苦しいものではなく、喜びに満ちたものになるでしょう。

 そして、極楽へ迎えとっていただけることがわかった私たちは、この世にいる間にも、少しでも極楽での修行を始めようというのが、念仏者の暮らしです。環境も私たちの能力もまったく不十分ではあっても、極楽行きのポイントを貯めるためではなく、今から極楽での暮らしを始めることができるのです。

 極楽での修行の基本は「慈悲」。私たちも、自己中心的な思いからできるだけ離れ、他の人のためになることをさせてもらう「利他」に生きることを心がけるのが、この世での極楽暮らしの第一歩です。