慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

2月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は2月25日(日)10時より行います。テーマは「法然上人が開いた浄土門とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

「怒らないことによって怒りにうち勝て」(ダンマパタ225)Part 1

 上の写真は奈良の国立博物館で出会った仁王様です。このお顔は憤怒の形相なのでしょうか?何を怒っておいでなのでしょう?

 

 このところ、鳴海の駅前にある中日文化センターで仏教の入門講座を担当させていただいています。月一回の講義ですが、私のような怠け者の僧侶にとっては準備は大変です。しかし、毎回自分の勉強になることがたくさんあって、結果的には私が一番ご利益をいただいているという感じです。

 先日は「怒り」についてお話しさせてもらいました。

 

「怒らないことによって怒りにうち勝て。善いことによって悪いことにうち勝て。分かち合うことによって物惜しみにうち勝て。真実によって虚言の人に打ち勝て」(ダンマパタ225

 

 ダンマパタはスリランカやタイなど、テーラワーダ仏教の盛んな所で大切にされている仏典です。中国にも『法句経』という名で翻訳されており、日本にも伝わっています。現代では、中村元先生の現代語訳なども出版されており、文庫でも手軽に入手することができます。

 そのダンマパタの中で、怒りに関するお釈迦様の教えが上に挙げた経文です。仏教は、その最初から人間の心にわきあがる「怒り」に注目し、非常に危険視してきました。怒りは、毒蛇の毒よりも、怒っている本人を害するからです。

 興味深いのは、お釈迦様は「怒りを抑えろ」とか「我慢しろ」とは言っていないということです。

 「怒らないことによって怒りにうち勝て」

 怒りを解決するには、怒るのをやめることだと言うのです。

 え?っとクエスチョンマークがいくつも湧いてきてしまいそうです。私が怒っているのは私のせいではない!怒りたくなるようなことが外部から、他人から振りかけられた、挑発されたから怒ってるんだ!と言いたいところです。

 しかし、仏教では「それでも実際に怒っているのはあなた。あなた自身が怒るのをやめれば、怒りにうち勝てる」と教えているのです。(つづく)