慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

テレビもパソコンもラジオもない生活で時間が増えた!

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 慈雲寺の属する浄土宗西山派西山浄土宗)の総本山光明寺は、京都市に隣接した長岡京市にあります。23日から今日まで、そこで教学の講習会がありました。

 多方面にわたる講義で、とても刺激的な三日間でした。私は開始前夜から本山に泊めていただいたので、講義の後も部屋にこもり切り。講義ノートを整理したり、本を読んだりして過ごしました。

 本山関連の用事がある時は、信徒会館と呼ばれる宿泊施設に泊めていただけるのですが、今回の講義参加者で泊まっていたのは私一人・・・シーン・・・・

 テレビもないし、ネットも使えません。私はスマホを使わないので、三日間、パソコンとは無縁の生活でした。朝の勤行は5時半から始まりますから、なんだか一日がとても、とても長い・・・静かに流れる時間が心地良かったです。

 でも、やっぱり音楽やニュースは聞きたくなります。ちょっと禁断症状っぽくなったかも?

 白内障の手術で入院した時も、ラジオを持って行くのを忘れて大失敗だったのに・・・遠出の時はラジオは必携ですね。

◎今日の写真は光明寺の薬医門周辺の楓です。

 

7月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は7月23日に行います。テーマは「お盆の意義と作法」です。

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 今日は6月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」の日でした。40名近くの方がいらしてくださり、遠く岐阜県から来て下さった方もいて、ありがたいことでした。私の父の死をきっかけに考えたことをお話ししたのですが、まだ自分の中で整理がついていないことばかりだったので、とりとめのないお話しになってしまいました。このテーマはしばらく自分の中でゆっくりと温めて、またお話ししたいと思います。

 さて、来月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマはお盆です。お盆は日本独自の仏教的な慣習ですが、世界的にも「ある特別な日に祖先が戻ってくる」という宗教的な慣習はあちこちに見られます。旅立った人を思う気持ちは世界共通なのでしょう。

 7月23日(日曜)10時より行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 お盆を迎える意味や、それに関連したさまざまな作法についてお話ししたいと思います。

 なお、お盆の時に棚経や墓経をして欲しいけれども、普段つきあいのあるお寺がないという方は、ぜひ慈雲寺にご連絡ください。新暦(7月)のお盆でしたら、ご相談に応じさせていただきます。

◎今日の写真は、三井寺で見た龍です。左甚五郎の作と言われ、夜な夜な琵琶湖に水を飲みに出かけるので、目に釘を打って動けないようにしたそうです。

6月18日(日曜)10時より、「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を行います。

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 18日は曇りの予報で、それほど気温も高くなさそうです。慈雲寺の本堂は、風が通り抜け、午前中は真夏でも涼しいですよ。ぜひお気軽にご参加ください。

 今月の講座のテーマは「悔いを残さないお別れ」です。仏教では愛する人に出会うことすら「苦」であると考えます。それは、やがて必ずお別れの日が来るからです。たとえどれほど仲が良くても。どちらかが相手を残して死出の旅に出なければなりません。

 これが命の厳然とした真実なのです。

 では、どのようにしたら、できるだけ悔いの少ないお別れができるでしょうか?

 私事ですが、先月、私の実父がお浄土へ旅立ちました。宗教者として、また娘として肉身との別れは、哀しい、寂しいのはもちろんですが、それ以上にさまざまなことを考えさせられました。まだ、何一つ整理はできていませんが、その経験を通して私が今、考えていることをお話ししながら、御一緒に「悔いの少ないお別れ」について考えてみましょう。

◎慈雲寺へのアクセス

 このサイトの左上に「サイト内検索」という欄がありますので、そこに「アクセス」と打ち込むと、アクセスに関する情報が出てきます。お手数ですが、ご確認ください。

◎今日の写真は三井寺で見た菖蒲です。

死に方に良い、悪いはない

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 次の日曜日(18日)に行われる「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」では、仏教が「死別」についてどう教えているかについて、お話しをさせていただこうと思っています。

 悔いの少ないお別れとはどういうものか・・・どうしたら、できる限り苦しみ少なく、穏やかなお別れができるか・・・仏教的なとらえ方というものについて考えてみたいのです。

 一番大切な前提は、「死」は誰にでも平等に、そして確実にやってきます。現世利益で知られる神仏に何度病気を治していただいても、死は必ずやってくるということです。

 もう一つの前提は、死に方に「良い死に方」も「悪い死に方」もないと仏教は教えています。90歳を過ぎた人なら「良い大往生」で、中年で亡くなったり、若くして事故で無くなるのは「悪い無念な死に方」というようなレッテル張りは、死者を冒とくすることであり、残された人の慰めにもなりません。

 どのような状態であれ、「死」をどう受け止めるかは、信仰を持っているかどうかが大きくかかわってきます。仏教では、「死」は一つの通過点であり、終点ではないと考えているからです。

 

◎今日の写真は橿原神宮の新緑です。

6月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は6月18日(日)に行います。

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6月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は6月18日の日曜日、朝10時より行います。どなたでもお気軽にご参加いただける会ですので、ぜひおいで下さいませ。

 私ごとですが、先月、実父が94歳でお浄土へ旅立ちました。二週間ほどの入院で、痰の吸引以外には痛みもなく、最後まで意思は通じることができたので、「大往生」と言って良いかもしれません。しかし、哀しい、寂しいという気持ちは僧侶でも同じです。この経験によって、僧侶として、娘として、さまざまなことを考えました。もちろん、まだ十分に消化されている状態ではありませんが、それだからこそ、今、皆さんとご一緒に考えてみたいと思いました。

 それで、今回のお話は「悔いを残さないお別れ」です。仏教は「お別れ」をどう考えているか、どうすれば悔いの少ないお別れができるのか、ご一緒に考えてみましょう。

◎慈雲寺へのアクセスは、左欄の「ブログ内検索」に「アクセス」と打ち込むと出てまいります。お手数ですが、そちらをご覧ください。

 

しばらくは『ブッダが先生』がベッドサイドテーブルの主

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 北米やヨーロッパのホテルには、必ずと言って良いほど、寝室のベッドわきのテーブルに聖書が置いてあります。

 それにヒントを得てでしょうか?お経の現代語訳とその英訳を載せた本をホテルなどに配り、仏教の布教を目指している仏教伝道協会という団体があります。これは日本の仏教宗派が広範囲に協力し、個人や企業の寄付によって運営されています。

 その仏教伝道協会が出版している『ブッダがせんせい』という本が見本として送られてきました。子供向けにお釈迦様のお言葉をやさしく解説したものですが、大人が読んでも十分に読みごたえがあり、さまざまなことを考えるきっかけになる本です。

 さっそく、私も寝室のサイドテーブルの上に置いて、眠りに入る前に、毎晩少しずつ読んでいこうと思っています。

 では、この本の中から今日の仏様のお言葉をご紹介しましょう。

「あれもほしい、これもほしいと、心がふらふらするときは、

『なくてもへいき』と思ってごらん」

これは、『ダンマパタ』という仏典に説かれた「心というのは目に見えず、微妙に変わり、欲するままに動いていきます。智慧を持つ人は心を守ることです。心を守ることで安楽がもたらされます。」というお釈迦様の言葉を柔らかな言葉で意訳したものです。

 私たちを常に苦しませる「欲しい、欲しい」という欲求を「心がふらふらする」と表現したところが絶妙ですね。

 今夜はこの言葉をかみしめながら眠りにつこうと思います。

なお、仏教伝道協会の出版物に関しては、「仏教伝道協会」で検索してください。協会のホームページからも注文できます。

◎今日の写真は知多半島の南端にある小さな島で見た可愛らしい狛犬です。

来月の「満月写経の会」は7月9日、夜7時半からです。

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 今夜(6月9日)は、きれいな満月でした。慈雲寺では、毎月の満月の夜に写経の会をしています。慈雲寺の本堂では、いつでも手ぶらでいらして写経をしていただけるように用意がしてありますが、月に一度、皆で集まって満月の美しさを楽しみながら、写経をしようという会です。

 7月の満月は7月9日です。ぜひお気軽にご参加ください。

「満月写経の会」の日は、夜7時半から皆で『般若心経』を読誦します。それから、心経の中から毎月少しずつ内容についてのお話しをします。大乗仏教の教えのエッセンスともいえる心経ですから、なかなか難しい内容ですが、少しずつ皆で考えていきましょう。

 写経に必要なものは全て用意しますが、筆ペンを使いますので、もし墨をすって、筆で書きたいという方は、ご自分の用具をご用意くださいませ。

 慈雲寺の行事は全て無料ですが、お寺の維持のために御喜捨いただければありがたく存じます。

◎今日の写真は園城寺毘沙門堂です。