来月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は7月25日の10時より行います。テーマはお盆の意義とその迎え方」です。
お盆は、『盂蘭盆経』という経典に基づいて行われる仏教行事です。仏教の行事ではあるのですが、中国の道教の先祖崇拝や、日本の神道的な先祖と子孫との交流の考え方など、さまざまな宗教的な慣習が習合したものといえるでしょう。
詳しくは来月お話いたしますが、まず第一に「お盆はいつ?」かという疑問です。伝統的には7月13日に先祖を迎え、16日の送り火で送りだすことになります。
しかし、この日付は太陰暦に基づいています。いわゆる旧暦ですね。
日本で、太陽暦が公式な暦とされるとすぐ、東京を中心とした関東地域では新暦の7月13日から15日がお盆として定着するようになりました。
慈雲寺のある尾張地方では、8月13日~15日が一般的です。新暦と旧暦には約一ヶ月の違いがあるからでしょう。しかし、これは少しおかしい。旧暦にしたがうなら、毎年日付は変わるはずです。
今年の旧暦7月13日は、新暦の8月20日です。沖縄では、今も、きちんと旧暦にあわせてお盆の行事をおこなうそうです。
浄土教の立場から言えば、極楽へ往生した人は、時間や場所の制限から自由になり、いつでも、どこへでも行くことができます。家族が祖先を思うとき、祖先は必ずそれに応えてくれるのです。一年に一度しか帰ってこられないわけではありません。
では、いったいお盆はなんのためにあるのでしょう?
ご一緒に考えてみましょう。