慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

10月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月21日。「地獄」について改めて考えてみましょう。

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 上の写真は、インターネットの無料画像から拝借した温泉の写真です。こういう温泉には、よく「〇〇地獄」などという名前が付けられていることが多いですね。

 

 9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」では此岸(娑婆)から彼岸(お浄土)へ

向かう「白い道」のお話をしました。お浄土のことは、講座でも何回かお話をさせていただいていますが、次回は「地獄」についてご一緒に学んでみたいと思います。

 「地獄」は仏教だけでなく、世界のさまざまな宗教でも罪人が落ちていく恐ろしい場所として語られています。多くの宗教では、いったん地獄に落ちたら、二度と救われないのですが、仏教では輪廻していく場所の一つです。地獄での行いや、生きている人からの供養などで、六道の別の場所に移動するチャンスもあるのです。おまけに、地蔵菩薩のように、地獄まで降りて、救ってくださる菩薩までおいでになるのです。

 生きている間に「地獄」を怖れ、そこに落ちてしまわないように、戒めを守って清らかに生きていくことが大切です。しかし、私たちは日々、地獄行きの「業」を増やしているのが現状です。

 そんな私たちをこの身このまま救うと誓われたのが阿弥陀仏です。

次回の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は10月21日(日)10時より行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

お彼岸中に行われる慈雲寺の行事のご案内とアクセス

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 上の写真は、大阪市立陶磁器美術館で見た壺に描かれている蓮の華です。蓮は極楽にもたくさん咲いているそうです。楽しみですね・・・

 さて、その極楽がある彼岸へ渡るために、どのような修行をすれば良いのでしょう?阿弥陀様は、全ての衆生に「その身そのままでおいで」と呼び掛けてくださっています。お彼岸は、いつもに増して、阿弥陀様のお慈悲を喜ぶ日々なのです。

 暑さ寒さも彼岸まで・・・と、言いますが、本当に心地よい日々が始まりました。どうぞ、お寺参り、お墓参りをなさってください。

 お彼岸中に行われる慈雲寺の行事をご紹介します。慈雲寺の行事は、どなたでも歓迎いたしますので、気軽にご参加ください。

1)お彼岸の期間中は、『観無量寿経』というお経に説かれた極楽の様子を描いた「当麻曼荼羅」の御開帳をいたします。すぐ近くまで寄って拝んでいただけますので、ぜひご縁を結んでください。

 2)9月23日(日)10時より

 

 「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」を行います。娑婆世界(此岸)から極楽(彼岸)へ渡る念仏行者の姿を描いた、「二河白道図」を使って絵解き説教をいたします。

 浄土系の僧侶たちは、しばしば、この絵を使って絵解き説教をしてきました。私もこの伝統的な説教にチャレンジしてみたいと思います。

3)9月24日(祝)10時より お彼岸の合同法要

 ご先祖、恩人、友人など、先にお浄土へ迎え取られた方々を偲び、その御恩とご縁を感謝の御供養をする法要をいたします。

 どなたでも、お気軽に平服でご参列下さい。法要後は、茶菓をご用意いたしますので、慈雲寺や墓地のことなどについて、ご意見やご希望をお聞かせいただければ幸いです。

4)9月25日夜7時半より 満月写経の会

 慈雲寺では、毎月満月の夜にお月見を兼ねた写経の会を行っています。写仏をしていただくこともできます。

 ご一緒に『般若心経』を読誦した後、その内容についても少しずつ学んでいきます。

 必要な道具は全て用意しますので、お気軽にご参加ください。

 

◎慈雲寺で行われる宗教行事は全て無料です。お寺の維持や仏さまへの御供養のため、お気持ちを御喜捨いただければ幸いです。

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。

 ★鉄道、バスのアクセス

 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●地下鉄徳重駅からも郷前に停まるバスがあります。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

 

 

 

 

 

 

どうぞ、ご遠慮なく本堂で読経なさってください!

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 慈雲寺の本堂は、明治の中期に建てられたものです。建築工事を請け負った棟梁は、小野田又造という、当時、日本屈指の匠と言われた人です。

 建物は小さいですが、とてもしっかり作られており、特に音響効果は素晴らしいものがあります。内陣の正面で読経していると、反響が心地よくて嬉しくなります。

 経典は、「声に出して読む」のが原則です。暗記するほど繰り返し読むことは大切ですが、たとえ暗記していても、しっかり経典を「見て、読んで、発声する」。文字を見て、意味を味わいながら発声することを心がけてください。

 呼吸を意識しながら、ゆっくり読経すると良いでしょう。 

 そして、できるだけ大きな声で、お腹からしっかり発声してください。大きく息を吸って、吐き切るまで発声する。これは健康にも良いとか・・・

 もし、自宅で大きな声は出しにくい・・・というのでしたら、どうぞ慈雲寺においでください。小野田又造が精魂込めて計算した音響を味わいながら、読経してください。

 上手下手は関係ありません。阿弥陀様はきっと喜んでくださいますよ。

◎今日の写真は大阪市立陶磁器美術館で見た、中国の壺です。美しい蓮が描かれています。

 

おすすめの仏教書Part 3 釈徹宗『キッパリ生きる!仏教生活』

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 仏教のことを知りたい!という気持ちは、とても大切なものです。この気持ちが次々とご縁を結んでくれるでしょう。

 仏教の理論や哲学を学ぶのももちろん大事ですが、仏教は経験の宗教、実践の宗教です。仏教徒として生きる、お釈迦さまの教えに沿ったもののとらえ方、考えかたを実践していくことが大事です。

 しかし、それは苦行をしろということのは違います。日常生活の中に、「仏教徒として生きる」という喜びを見つけていくということです。

 釈徹宗師の『キッパリ生きる!仏教生活』は、仏教徒として生きるということは、どういうことなのか、仏のお示しになった道を歩むとはどういうことなのかが、細かく(しかし難しくではなく)、生活のあらゆる場面で応用できるように教えてくださっています。

 釈上人は浄土真宗の僧侶ですが、仏教全体に共通するものの見方、考え方を紹介してくださっています。技術評論社という見慣れない出版社から出ていますが、まだアマゾンでも購入できるようですから、ぜひ探してみてください。

 きっと「仏教徒として生きる」ことが楽しくなりますよ。

◎今日の写真は大阪の博物館で見た、ヨーロッパの磁器です。

9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のご案内と慈雲寺へのアクセス

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 上の写真は、インターネットの無料画像からお借りした、「二河白道図」です。「二河白道図」は、中国で浄土教を大成した善導大師が、苦しみ多い現世(此岸)から極楽(彼岸)へ渡る念仏行者の生き方と救われを、河の中に伸びている細い白い道に譬えた教えを絵にしたものです。

 炎の燃え盛る河と、激しく波が渦巻く河の二河。右側の岸(現世)には、恐ろしい猛獣や武器を振りかざした悪党たちが描かれています。左上の方の岸辺(彼岸)には、美しい極楽の宮殿が見え、阿弥陀様がやさしく手を伸ばしています。

 河の中に白い細い道が描かれ、お釈迦さまに励まされながら、その細い道を歩む念仏行者が見えます。

 「二河白道図」の基本的な構造は上に述べた通りですが、それぞれの画家やそれを指導した僧侶たちの思いや信仰を反映して、一つ一つ微妙に描かれているものが違います。どこかのお寺の御開帳や博物館の展示などで「二河白道図」に出会ったら、ぜひ、こまごました違いを探してみてください。

 さて、9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、9月23日(日)10時より行います。ちょうどお彼岸の最中ですので、この「二河白道図」の絵解き説教にチャレンジしてみようと思います。

 

 絵解き説教は、説教師を目指すものたちにとって、とても大切な修行の一つです。私はまだまだ未熟ですが、挑戦してみたいと思います。

 どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加ください。

 

◎慈雲寺への交通アクセス

 申し訳ありませんが、慈雲寺には十分な駐車場がありません。なるべく公共交通を使っておいでくださいませ。近くの有松ジャンボリーSCに大きな駐車場があり、無料で駐車できます。そこからお寺まで、北へ徒歩5分。

 ★鉄道、バスのアクセス

 名鉄有松駅前から、「有松12番 有松町口無池行き 地蔵池経由」に乗ってください。日曜の9時台は二番乗り場から9時07分と36分に発車します。これらのバスに乗り、郷前(ごうまえ)の停留所でお降りください。そのまま道なりに進むと郷前の交差点に出ます。角に鍼灸院があり、その右手の細い坂道を上がると慈雲寺の屋根が見えてきます。
   また、時間はかかりますが、地下鉄の鳴子北駅から出ている「鳴子13番」のバスも郷前に停まります。日曜は8時45分にバスが出ます。
●地下鉄徳重駅からも郷前に停まるバスがあります。
●栄のバスターミナルからは森の里団地行きのバスが一時間に一本出ています。この場合は、郷前の停留所から道を戻って郷前の交差点に行ってください。日曜は8時50分発があります。所要時間は約40分
●JRの大高駅から緑循環バスの名鉄有松行で郷前に行くことができます。日曜は8時44分と9時44分に出発します。9時台のバスですと10時の開始時間には少し遅れますが、あわてずにおいでください。
●また、同じ緑循環バスの名鉄有松行は南大高駅東にも停車します。9時9分発です。
●JRの共和駅からタクシーで5分。市バスはありません

 

お彼岸中は、「当麻曼荼羅」の御開帳をいたします。美しい極楽の様子を描いた曼荼羅です。ぜひご縁を結んで下さい。

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 先日、「二河白道図」の絵解き説教を聴かせていただいたとき、聴衆から「極楽が本当に良いところなのかどうかわからない。」という質問が出ました。面白い質問ですね。お説教師さんも「私も行ったことがないので、絶対とはいえませんが・・・」と正直に(ちょっと困ったお顔で)答えていらっしゃいました。

 『観無量寿経』によれば、それぞれの仏さまはお浄土をお造りになっているそうです。阿弥陀仏は、法蔵菩薩として修行をしていたとき、膨大な数の浄土を見て、その特徴を学び、それぞれの良いところを集めて、最も優れた、最も美しい、そして全ての衆生がもれなく迎え取ってもらえる「極楽」という浄土を造ることになさったのです。

 ですから、極楽は全ての浄土よりも、さらに良いところなのです。

 極楽の様子は『阿弥陀経』や『観無量寿経』、『無量寿経』などに詳しく述べられています。特に、『観無量寿経』でお釈迦さまが語られたお浄土をビジュアルで表現したのが、奈良の当麻寺に伝わる国宝の「当麻曼荼羅」です。

 原本は巨大なものですが、その四分の一の大きさで模写したものが、慈雲寺に伝えられています。春と秋のお彼岸の期間中、この曼荼羅を御開帳いたします。ぜひお参りになってご縁を結んでください。

 

 拡大鏡もご用意いたしますので、すぐ近くで極楽の様子をじっくりと眺めてください。極楽に迎え取られたご先祖さまが、とても幸せに暮らしていることを感じていただけると思います。

◎今日の写真は、インターネットの無料画像からお借りしたものです。慈雲寺のものと基本的は構図は同じです。

「二河白道図」の絵解き説教を聴聞に栄の萬福院へ

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◎写真は、インターネットの無料画像からお借りした、萬福院のお不動さまです。

 

 先日、名古屋にある成田山名古屋不動尊霊場である萬福院にお参りすることができました。

 御本尊のお不動さまは、千葉県にある成田山新勝寺のお不動さまの御分身だそうです。数年前に造られたばかりの新しい仏像なので、その巨大さ、迫力、そして蝋燭の灯りに浮かび上がったお姿の美しさに深く心をひかれました。

 下車すべき地下鉄の駅を勘違いしていて、たどりつくのに一苦労。秋風を感じさせる涼しい夜でしたのに、すっかり汗だくになってしまいました。

 お不動様にご縁を結ぶことができたのは、毎月、この萬福院で催されているお不動さまの講の集まりがあったためです。ここは、真言宗のお寺ですが、毎月他宗派の僧侶を招いて、仏教のお話しを聴く会のようです。

 

 

 今月は浄土真宗高田派の若い僧侶の方が、「二河白道図」の絵解きをしてくださいました。お若いのに、誠実な語り口で、「二河白道図」の内容を語って下さいました。

 実は私も、9月23日の日曜日に慈雲寺で行う「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」で、同じ「二河白道図」の絵解き説教をさせていただこうと思っているのです。

 「二河白道図」は、絵解き説教を勉強している者にとっては、最初の課題であり、またゴールの目標でもある大切なものです。苦しみ多い娑婆世界に生きる私たちが、お釈迦さまに励まされ、阿弥陀仏に迎え取られて彼岸へ渡っていく様子が描かれているからです。

 私が属する浄土宗西山派西山浄土宗)の「二河白道」の教え解釈は、浄土真宗のそれとは微妙に、しかし本質的な部分で違いがあります。それが、少し見えてきたのは、今回のお説教師様のおかげです。

 巨大なお不動さまに見守られながら、お説教を聴かせていただくのは、特別な体験でした。