慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

もう少し”カリスマ性”を磨かないとだめかなぁ・・・・?

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三井寺毘沙門堂の飾り絵です。前回訪れた時(20年前!)は17世紀の彩色が再現されたばかりだったのですが、しばらく時を経て、落ち着いた雰囲気になっていました。

 今日は花まつりでした。朝、本堂の扉を開けた時、お釈迦さまの降誕像に甘茶をかけて、静かに降誕して下さったことを感謝しました。

 ブログに花御堂のことを書いただけで、ポスターも出さなかったのですが、何人かの方がお参りに来て下さったようで、お土産用に用意したドロップの缶が減っていたので、嬉しくなりました。

 コロナのことが落ち着いたら、子供たちと一緒に花まつりをしたいものです。

 

 さて、10日の日曜日から、毎月第二日曜1時半から、鳴海駅前の中日文化センターで「尼僧と学ぶ仏教入門講座」が始まります。

 月一回、三か月がかりで、一つのテーマに沿ってお話をしています。慈雲寺で毎月行っているお話よりも、基礎から理解を深めて、興味を広げていただけるように内容を組み立てています。

 今回のテーマは「お経」です。お経というと、お葬式や法事の時に、僧侶が読む、なんだかわからないが、聞いていると眠くなる、なんとなくありがたいもの・・・という印象でしょうか?

 しかし、仏典は実はとてもおもしろいものなのです!穏やかで、柔軟性のある生き方をしていく智慧に満ち、人生の苦しみにしっかり向かい合う勇気を育んでくれる教えがいっぱいです。

 ストーリーとしても壮大で華麗なものから、ユーモアにあふれたもの、ちょっとドキドキしてしまうようなものまで多彩です。

 『般若心経』など、身近なものから、『法華経』や『浄土三部経』など、各宗派で大事にされている経典を楽しむヒントをお話したいと思います。

 興味を持って下さった方は、電話0120-538-763までお問合せください。

 ところで、実は岐阜市の中日文化センターでも仏教入門講座を今月から行う予定だったのですが、生徒が全く集まらないとのことで中止になってしまいました。

 とほほ・・・

 センターの方も募集にいろいろ努力をして下さったようですが、なんといっても私の知名度が低すぎるのが原因でしょう。さらに、私の書いた募集のキャッチコピーが魅力に欠けたのかも。これはライターとしては情けなさすぎる。

 もうすこしカリスマ性を上げないとダメかなぁ・・・ま、それは冗談です。

 変な欲をださずに、地道に皆さんに喜んでいただける・・・仏の教えに触れる喜びを感じていただけるように研鑽していかなければいけませんね。

花まつりの用意ができました♪

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境内に咲いていた花も加えて、花御堂をつくりました

 

 4月8日はお釈迦さまがお生まれになった日とされています。「降誕会」として、仏教国ではどこもお祝いをするのですが、もちろん太陰暦でのこと。

 桜の季節に合わせて「花まつり」として祝うのは、どうやら日本だけのようです。

 慈雲寺では、仏教関連の行事は、基本的に太陰暦(旧暦)に従って行おうと思っているのですが、この「花まつり」だけは、旧暦にすると雰囲気が今一つ・・・・

 というわけで、現行カレンダーの4月8日に花まつりを行うことにしました。

 

 今日はお友達がおいしいサンドイッチと共に遊びに来てくれたので、一緒に花御堂の飾りつけをしました。境内に咲いていた椿や水仙、名も知らない野草も使い、ご近所の花屋さんが「それでは足りないだろう」と助けてくれたカーネーションなどを加えて、

きれいに飾り付けることができました。

 

  4月8日は、一日中花御堂を本堂の前にお供えしておきますので、どうぞご自由にお参り下さい。

 お釈迦様が誕生したとき、天から甘露の雨が降ったそうです。ちょうど平等院管主さまが、甘茶のティーバッグを下さったので、明日は赤ちゃんのお釈迦さまにたっぷり甘露の雨を注ぐことができそうです。

 

 お釈迦様がこの世に人間として生まれ、教えを説いて下さったおかげで、私たちは仏教にご縁を結ぶことができたのですから、降誕会はとても喜ばしいものですね。

 特に、お子さんたちの健やかな成長を祈る日でもありますので、ぜひお子さんやお孫さんとご一緒にお参り下さい。

 

 花まつりのお土産も用意してありますので、どなたでもご遠慮なく、お受け取り下さい。

祠堂供養のおすすめ Part 2  故郷のお墓をどうすればよいでしょう。

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石山寺で出会った、可愛らしい大黒様

 

 このところ、お墓についてのご相談で慈雲寺を訪ねて下さる方が増えました。

 墓地については菩提寺の御住職とご相談になるのがベストですが、「菩提寺とは縁が切れてしまった」とか、「あまりにも基本的な質問なので、菩提寺の和尚さんに相談しにくい」など、いろいろと困っておいでのようです。

 私のようなぼんくら僧侶では、なかなか「これ!」というお答えは見つけられないかもしれませんが、お話している間に答えが見えてくることもあるのです。

 

 さて、先日おいで下さった方は、「故郷の菩提寺にお墓はあるのだけれど、自分は名古屋に出てきて何十年もたっている。自分は長男で、お墓を守る責任を感じているが、故郷は遠く、なかなかお参りに行けない。故郷のお墓を整理して、名古屋にお墓か納骨堂などを探したほうが良いでしょうか?」という質問でした。

 

 私は「故郷のお墓」は、できればそのままにした方が良いのではと思っています。お墓は自分のルーツを示すものとしての役割も大きいからです。

 私の父は広島の山奥の出身で、曾祖父母からのお墓もそこにあります。曾祖父の本家、曾祖母の実家のお墓も近くにあり、菩提寺にお参りに行けば、少なくとも数百年の自分のご先祖と出会えることになります。

 名古屋から、その町へ行くのはなかなか大変ですが、お参りに行くたびに、不思議な安心感に包まれます。祖先に願われている自分を感じるからかもしれません。

 この町から東京へ出てきた父の思いにも触れることができるような気がするし・・・

 

 実は、大叔父は曾祖父や自分の兄弟(私の祖父など)のお骨を分骨し、東京の霊園にお墓を建てています。ですから、東京の墓地へは時々お参りに行くのですが、やはり父の生まれ故郷のお墓は特別な思いがあります。

 

 故郷のお墓を維持していくのは、時間的にも経済的にも確かに負担は大きいかもしれませんが、菩提寺の御住職などとご相談になり、維持していく方法を模索してみてはいかがでしょう?お墓の掃除や雑草取りなどを受けて下さる方を紹介して下さるかもしれません。また、墓地での定期的な読経をご住職にお願いすることもできるでしょう。

 

 これから、社会はどんどん流動的になり、住む場所、働く場所も変化が激しくなっていくのではないでしょうか?そんなときだからこそ、自分のルーツを示すお墓が残っているというのは、時として大きな力の源になると思います。

 

 それでも、なかなかお参りができないことが気になるのなら、前回のブログでもお話したように、自分の現在のお住まいの近くでご縁ができたお寺に、新に作ったお位牌をおさめ、祠堂供養をお願いしてみてはどうでしょう?

 引っ越さなければならなくなったら、祠堂供養にあげていたお位牌を引き取って移転しても良いですし、引っ越し先のお寺でまた新にお位牌を納めても良いでしょう。

 

 ご近所に「いきつけのお寺」があると、さまざまな面で心が安らぎます。

 慈雲寺でも祠堂供養のお手伝いをさせていただけますので、お気軽にご相談ください。

 

祠堂供養のおすすめ part 1

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石山寺で先月初めに見た桜

 

 ここ数日、お墓やお位牌のことで相談に見える方が続いています。

「実の父や母のお墓は故郷の菩提寺にあるのだけれど、遠くでなかなかお墓参りにも行けない。結婚して夫の実家に同居しているので、自分の親やご先祖に供養したいときはどうしたら良いでしょうか?」

 最初の方はこんなご相談でした。

 

 仏壇は文字通り、阿弥陀仏や釈迦如来大日如来など、仏様をお祀りする場。寺院でご先祖の供養をするのと同じように、婚家の仏壇で自分の実親のことを祈っても全く問題はありません。私がお月参りさせていただく家でも、奥様の御実家のご先祖のご供養も続けて行うことがあります。

 

 しかし、なんだかそれでは気持ちが落ち着かないという方には「祠堂供養」をおすすめします。

 祠堂供養とは、自分の家の仏壇におさめる位牌とは別に、もう一つ位牌を作り、それをご縁のあるお寺に納め、毎日の勤行の時に供養していただくのです。自分の菩提寺だけではなく、宗派の本山や何らかの縁で親しくしているお寺に納める場合もあります。

 慈雲寺にも、100近いお位牌がお祀りされています。私がここに赴任してからも、少しずつ増えています。慈雲寺は伝統的な意味での檀家の無いお寺ですので、祠堂供養を頼んで下さるかたの多くは別の宗派を菩提寺としているご家族です。

 また、ご家族でなくても、恩師や恩人など、特にご縁の深い方の祠堂供養を頼んで下さる方もあります。

 

 近くにお墓がなくても、仏壇が家になくても、時々慈雲寺に来て、縁者の位牌に手を合わせ、しばらく本堂で寛いでお帰りになってもらえれば理想的です。

 

 コロナ禍で、昨年も今年も行っていませんが、通常は毎年一回、祠堂供養を申し込まれている方々にお集まりいただき、合同法要を行っています。粗飯をお出しして、ゆっくりご先祖のお話を聞くのは、私にとっても大切な時間です。

 

 

慈雲寺文庫だより (その1)

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今年3月初旬に熊野で見た桜です。

 慈雲寺の山門には皆さんから寄付していただいた本と本棚が並び、ミニ図書館になっています。

 まったくの偶然なのですが、私は子供のころからいつでも図書館のすぐそばに住んでいました。カナダにいた時も、徒歩圏内にいつも図書館があったのです。しかし慈雲寺に赴任してからは、図書館がはるか彼方に・・・今までは一時間に一本のバスに乗って行けば、なんとか45分ほどで名古屋市の図書館に直行できました。しかし!その路線は3月末で廃線に・・・とほほ過ぎる・・・・

 というわけで、これからは「慈雲寺文庫」を充実させて、図書館への飢餓状態を緩和したいと思います。

 

 慈雲寺文庫は、さまざまな方からご寄付いただいた本を並べています。どなたでも、何冊でもご自由にお持ち帰り下さい。読み終わったら返却して下さっても良いし、ご自分の読み終わった本と交換して下さっても良いです。お友達にまた貸し、または差し上げて下さってもOK.

 本のご寄付はいつでも歓迎します。本の状態は問いません。

 

 毎朝、新聞を取りに行くと、どなたかが置いていって下さった本があったりすると、嬉しくなります。

  本の内容も、よほど偏見に満ちたものや、「公序良俗」に反するものでなければなんでもかまいません。子供向けの絵本から仏教書、まんがでも歓迎です。

 

◎今週の新しい本

 まず、最初におことわりしておきますが、私はコロナに関してはワクチン容認派です。三回目の接種もサッサとすませました。しかし、このワクチン接種に不安のある人の気持ちもわからないではありません・・・・

 先日、「反ワクチン」もしくは「ワクチン懐疑派」と思われるタイトルの本がまとまって慈雲寺文庫に到来しました。

 私個人としてはワクチンは持病などで副反応が特に心配な人以外は、接種すべきだと思っていますが、懐疑派の意見も読んでみたいと思う方は、どうぞこれらの新な到来本を読んでみて下さい。

 

 慈雲寺文庫は、内容ごとに分類などせず、バラバラに並べてありますので、どうぞごゆっくりタイトルを見て下さい。

 本堂には暖かいお茶はお菓子も用意してありますので、本堂で一休みしながら読んでくださるのも歓迎です。

 

 

 

 

 

四月の慈雲寺の行事予定

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数日前に満開になった、東京の石神井川沿いの桜並木です。

 

 慈雲寺の周辺には幾つものため池があります。知多半島の周辺は愛知用水ができるまで慢性的に水不足に苦しんでいたので、その時代の苦労の跡です。

 大きなため池の周辺には桜が植えられているので、慈雲寺の周辺は今が見ごろです・・・と書こうと思ったら、今日は霜の心配をしなければならないほどの寒さでした。正に花冷えですね。

 

 さて四月の慈雲寺の行事予定です。

 慈雲寺の行事はどなたでも歓迎いたします。どうぞお気軽にご参加ください。

 

1)4月8日 花まつり

 お釈迦様のお誕生日です。慈雲寺では仏教行事は基本的に旧暦でやろうと思っているのですが、日本では桜の時期に合わせて降誕祭をすることになっているので、現行カレンダーの4月8日に行います。

 10時から短い法要をしたしますが、花御堂は一日中置いておきますので、赤ちゃんのお釈迦様に甘茶をかけて差し上げてください。子供の健やかな成長を祈る行事です。

 お子さんたちのために、小さなプレゼントも用意しますので、ぜひお子さんやお孫さんとご一緒にお参りください。

 

2)4月17日 10時より 尼僧と学ぶやさしい仏教講座

テーマ:廃仏毀釈神仏分離で何が起こったのでしょう。

 慈雲寺では、毎月、身近な話題を取り上げて、仏教のものの見方、考え方をご一緒に学んでいきます。

 今月は江戸末期から明治初めに、神仏分離をきっかけに日本各地で起きた廃仏毀釈とは何だったのか、そしてそのことが、日本の宗教事情に与えた影響についてご一緒に考えてみましょう。

 どなたにもわかりやすいお話を心がけていますので、どうぞお気軽にご参加下さい。

 

3)4月17日 夜7時半より 満月写経の会

 毎月の満月の夜にお月見を兼ねた写経の会を行っています。

必要な用具は全て揃っていますので、初心者の方もお気軽にご参加下さい。

 

4)4月21日 10時より 弘法大師の御正当日の御身拭い

 旧暦の3月21日は、弘法大師高野山奥の院で深い禅定に入られた日です。今年は現行のカレンダーで4月21日がその日に当たります。

 毎年の御正当日には、お大師さまの御像を床におろし、皆さんでお身拭いをしていただきます。お大師さまとのご縁を深める良い機会ですので、ぜひお参り下さい。

 お身拭いは本堂の開いている間、いつでもお参りいただけます。病気などで困っている方の代参をなさる方は、病気の方が普段使っている手ぬぐいやハンカチなどをお持ちください。

 なお当日は、四国八十八か所のお砂踏みも体験していただけます。

 

◎4月から鳴海の中日文化センターで、毎月第二日曜1時半より「尼僧と学ぶ仏教入門講座」を行います。

 仏教は、生きるための智慧と勇気を養う教えで、けして難しいものではありません。春期は身近なお経を中心に日本の各宗派の特徴などもお話します。

 お申込み、お問い合わせは、0120-538-763へどうぞ

 

◎同じく4月から岐阜の中日文化センターで、毎月第三金曜日午後2時より「尼僧と学ぶ仏教入門講座」を行います。

 こちらの講座では、仏教とは何をめざしている教えなのか、他の宗教と大きく違う点などに注目してお話します。

 お申込み、お問い合わせは0120-670-877へどうぞ

 

 

「中道」のむずかしさ

東京の板橋区を流れる石神井川沿いの桜並木です。まさに満開!でも、誰もお酒を飲んだりして騒いでいないので、花の美しさを堪能して楽しそうな人ばかりでした。

 

 仏教は基本的には「行」を重視する宗教です。心身を使って、行動で真理に近づく道を歩んでいこうとするのです。

 もちろん、末法の時代に生きる凡夫には、お釈迦様がお示しになった修行をするのは、ほとんど不可能でしょう。そんな私たちを憐れんで、仏の慈悲の現れとして選んで下さったのが「南無阿弥陀仏」の称名念仏なのです。

 

 もう一つ、仏教の基本は「中道」です。極端な苦行も、放逸も避け、中道を選びとっていくことも大切です。お念仏も、極端に数多くの念仏を繰り返すことを理想とするのでもなく、「一回称えれば良い」というのでもなく、私たち全ての衆生をもれなく救うという阿弥陀仏の願いをしっかり胸に受け止めて、その上で喜びの念仏が口からこぼれおちてくる・・・という境地をいただきたいものです。

 

 ウクライナとロシアの紛争も、もちろん他国に侵入したロシアの非は明らかで、世界中から非難されるのは当然だと思います。

 しかし、今の「ウクライナ気の毒。ウクライナ正義」という一辺倒では、問題は解決しないでしょう。

 日本は武力による問題解決を永久に放棄しようと誓った国です。現在のような事態の場合にこそ、一方的な主張ばかりでなく、何がロシアに危機感を抱かせたのかについてもきちんと把握すべきでしょう。

 そのうえで、中立の立場でできることを模索すべきではないのでしょうか?

 

 ウクライナNATOにすり寄って行った状況、それをロシアがどう危機感をいだいたかがもっと知りたいです。

 また、宗教者として特に関心があるのは、ウクライナロシア正教が、モスクワを頂点とする枠組みからはずれ、イスタンブール東方正教会に移ったことが、どのような影響を与えているのか、もっと知りたいです。

 数日前の朝日新聞には、少しそれに触れた解説記事が出ていたのですが、なんだか的外れのようでピンときませんでした。

 

 ロシア正教会の動きは、日本人が想像するよりはるかに影響力を持っているはず。

 どなたか、これに関連した記事を目にした方はぜひ教えてくださいませ。