慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

慈雲寺の弘法さまは染谷将太似?!

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 19日で映画「空海」の上映が終わると知って、慌てて名古屋駅前の映画館まで行ってきました。8時55分上映開始というないナイスな時間設定だったので、ラッシュアワーの電車に乗って映画を見に行くという、なんだか変な雰囲気でした。

 原作は夢枕獏のミステリー小説なので、ストーリー自体はファンタジーで、宗教者としての空海さまに迫る内容では全くありません。しかし、つくづく「中国には、映画を作ろうという意欲満々な人がたくさんいて、資金力もたっぷり、技術力もあるんだなぁ」と感心しました。今の日本には、あんな風にお金をかけた映画を作ることはできないでしょう。う~ん・・・

 楽しかったのは、そのたっぷりの資金を投じて作った、1200年前の長安の街並みを見ることがてきたこと。シルクロードで運ばれてきた文化が絢爛たる花を咲かせていた時代の雰囲気がたっぷり伝わってきました。映画は映画館で見なくちゃだめだな。できれば、「大ヒット中」にもっと大きなスクリーンで上映されている間に見れば良かった・・・

 染谷将太さんが演じる空海は、ユーモアがあって、表情もしぐさもお茶目。それによって、かえって空海さまの天才ぶりがスンナリと伝わってきました。とってつけたような威厳なんかないけど、仏道の真髄をつかみかけている落ち着きが感じられるのです。

 一番印象的で感動したのは、空海さまが恵果上人から真言密教を受け継いだ青龍寺の姿です。青龍寺は廃仏や長安の衰退によって、ほぼ廃寺となってしまいました。現在の建物は1980年代に日本などの援助によって、建て直されたものですが、なんだかうら悲しいような状況でした。

 私は90年代に西安へ行き、青龍寺跡にも訪れましたが、空海さまが御修行なさった時はどんなに壮麗な寺院だったろうと想像していました。そのイメージにピッタリな「大青龍寺」の姿がスクリーンに現れたのですから、思わず「おお!」と座席から立ち上がりそうになってしまいました(恥)

 さて、以前にも何回か書きましたが、慈雲寺にも弘法さまがいらっしゃいます。慈雲寺は今は名古屋市内ですが、もともとは知多郡に属していて、知多半島の文化圏の中にあります。知多半島はお大師様信仰の盛んなところで、知多四国の巡礼をする人もたくさんいます。慈雲寺の弘法さまも、そんなご縁で祀られているのでしょう。

 慈雲寺の弘法大師像は、他の知多四国の弘法さまと違い、かなり若いお姿。まさに、映画に出てきた時代のお姿のようです。眼の雰囲気など、染谷将太に少しにているかも?

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