慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

エアコン付きの「夏安居」は幸せ過ぎる・・・

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お釈迦さまがお悟りを開かれた場所に建てられた大菩提寺(インド・ブッダガヤ)

 

 僧侶は夜明け前に起きて、お仏飯の用意をし、朝の勤行を終えたころに太陽が昇るというのがお約束です。今だと、4時前に起きないといけませんね。それはちょっと苦しいなぁ・・・9時就寝・4時起床かぁ・・・と、思いながら、少しずつ起床を早めています。

 今朝は5時少し前に起きたのですが、な、な、なんと涼しい!いつもは料理をするのが哀しくなるような蒸し暑い(冷房無し)台所が涼しいではありませんか!さわやかな風がすいすい吹き抜けて行きます。

 暑さを理由にしばらく怠けていた台所の掃除もはかどる、はかどる。

 

 さて、夏安居(げあんご)のお話です。夏安居は、お釈迦様の時代から始まった習慣で、今も多くのお寺で受け継がれています。

 期間は旧暦の4月16日から7月15日まで。インドでは雨期で気温も高くなります。普段は一箇所に定住せず、あちこちに出かけて布教や修行をしている僧侶たちも、この時期には一箇所に集まり、屋根のある建物の中で修行します。

 雨の季節だということもありますし、この時期は虫や小動物などがたくさん活動するので、僧侶が出歩くことによって殺生をしてしまう可能性も高まる。それで、一箇所に集まって勉強しようというのです。

 

 雨を避けるのはともかく、この時期、インドで室内にいるのは大変だったことでしょう。

 私は、ほぼ年中「安居」。コロナ禍で旅行ライターのお仕事もほぼ無くなったので、ほとんど外へ出かけることもありません。

 エアコンのある部屋が一つだけあるので、そこに閉じこもってジッとしています。

エアコン付きの安居とはなんと贅沢なことでしょう。

 

 さて、この安居が終わる旧暦の7月15日には、僧侶たちは夏安居中の自分の行いを振り返り、規律や教えに背いていないか反省する日です。この日に、僧侶たちへお供えをすると、安居中の修行を功徳を分けてもらえると言われています。

 

 私には、みなさんにお分けできるような功徳を積めるでしょうか?・・・エアコン付きの安居では無理かしらん?