慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

西国三十三箇所観音霊場の巡礼を始めました。その4 <巡礼バスツアー3> ツアーの鍵は先達さん!

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清水寺の西門に描かれた龍

 

 バスツアーに参加して西国三十三箇所の観音霊場巡礼を始めました。バスの中では飲食は禁止(お水は飲める)。おしゃべりも遠慮してほしいとのことなので、物見遊山の雰囲気はなく、なかなか良い「宗教行事」の雰囲気です。

 このツアーには、毎回、旅のお世話をしてくれる添乗員さんの他に、巡礼のベテランである先達さんか僧侶が同行するというのが嬉しいポイントです。札所についたら、読経の指導、お参りの仕方などのアドバイスをして下さったり、いろいろとお世話をしてくださいます。

 しかし、バスの中が静かだと、先達さんの役割はコロナ禍以前とはかなり違ってきたのではないでしょうか?

 いちおう、このツアーでは、バスの中での案内は無しということになっているのですが、車内がシーンとしているので、先達さんのお話を期待する雰囲気になっています。

 今まで2回しか参加していないので、全体の先達さんの「レベル」についてとやかく言える段階ではありません。しかし、二人の先達さんから受けた印象はほぼ同じでした。

 お二人とも、参拝のマナーや順番などについては穏やかな口調で丁寧に説明してくださいました。とりわけ、第一回目のツアーでは、巡礼ツアーは初めてというかたもいたので、バスを降りてから参拝、納経札の納め方、お線香やろうそくの灯し方まで細かく教えてくださったのです。

 しかし、同じく二人方に共通した<がっかりポイント>は、車内での説明の浅さでした。車内が静かなので、特に先達さんのお話に集中してしまったので、よけいに不満に思ったのかもしれません。

 例えば、札所では皆で『般若心経』の読経を行うのですが、心経の内容の説明が明らかに間違えでした。簡単な心経の解説本でも読めば、おおまかな話はできたでしょうし、明らかに頓珍漢な解説は避けられたはずです。もちろん心経は大乗仏教の極めて高度な教えを説いたものですから、私もちゃんとお話できるわけではないのですが・・・

 できないならできないなりに、例えば、巡礼でなぜ心経を唱えるのかという説明だけでも良いでしょう。

 

 また、二回目のツアーでは22番札所のへお参りしたのですが、このお寺の山号は「補陀洛」でした。補陀洛浄土は観音様が降臨なさる浄土。観音霊場にふさわしい山号です。ここで補陀洛浄土のことや、補陀洛渡海の信仰について先達さんがお話して下さったら、ご本尊へのお参りも、お浄土をイメージした境内の様子も、より味わい深いものになったのではないでしょうか?

 結局その話はなし・・・・

 バスの車内では、京都の競馬場が見えたところで、競馬場のお話を詳しくしてくださいましたけど・・・・おそらく、物見遊山っぽい巡礼ツアーならその案内で車内の笑いが取れることでしょうが、今は状況が違うというのを先達さんが感じられていないのかもしれません。

 

 僧侶の方が同行してくださる回を楽しみにしたいと思います。