「仏教とは、いったいどんな宗教なのでしょう?」
ご自分で一度紙に書いてみるのがお勧めです。自分の今な理解、思いを文字にしてみるといろいろなことが見えてくるからです。
Part 1でお勧めした参考書、『仏教の教科書 仏教って何ですか?』も、最初の記事は「佐々木閑(ささきしずか)先生に聞く 仏教って何ですか?」というものです。
佐々木先生は、世界の三大宗教(仏教・キリスト教・イスラム教)を比較しながら仏教の特徴を述べています。仏教の特徴として最初に挙げられているのは「神ではないひとりの人間、釈迦がつくりあげたのが仏教」ということです。
2500年前、インドの小さな国の王子だったゴータマ・シッダールタ(シッダッタ)は、歴史的に実在が確認されています。彼が修行し、思索し、自分で見いだした真理を語ったのが「仏の教え」すなわち仏教です。
この真理は、絶対神から与えられたものではなく、釈迦が自分で悟ったというところが重要です。そして、釈迦は極めて優れた人ではありましたが、イエスのような「神の子」でもないし、ムハンマドのような「神の言葉のメッセンジャー」でもなく、人間です。
のちに大乗仏教が発達してくると、超越的なイメージで釈迦が登場する経典もありますが、初期の経典に描かれている釈迦は、私たちと同じように悩み、同じように老いた肉体を持ち、やがて肉体的な死を迎えた一人の人間です。
全ての経典は「仏語」、釈迦が語った言葉を弟子が暗誦したという形式をとっています。このため、ほとんどの経典は「如是我聞」(私はお釈迦様がこのように語られるのを聞きました)という言葉で始まっています。
私たちは、多くの人々がさまざまな困難を乗り越えて伝えてくれた経典によって、「仏語」に出会うことができました。経典を通じて、お釈迦様の言葉に直接触れることができるのです。お経は、想像力を心地よく刺激してくれるストーリーや、豊かな表現に満ちています。美しい現代語訳もありますので、ぜひ経典を読んでみて下さい。
2500年の時を超えて、お釈迦様の「仏語」に耳を傾けてみましょう。最初のおすすめは岩波文庫の『ブッダの言葉』です。
◎今日の写真は飛騨高山の陣屋跡で見た木です。黄色の不思議な花が咲いていました。なんの木でしょうね?