慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

教育の経済格差を埋めるのは読書だ!「慈雲寺文庫」を利用してください。

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図書館は地域の宝!

 私は理科系の勉強はさっぱりなのですが、数学へのあこがれのようなものは強く、

ゲーム理論の本を読んだり、和算の歴史の本を読んだりするのは大好きです。数学の文章問題を見るのも好き・・・解くのが好きと言えないのがトホホですが。

 というわけで、先日の大学共通入試の数学の問題をぼんやり眺めていたら、今年は特に読解力がないと解けなさそうな問題が多いように思いました。d

 文系でも理系でも、知性の基本は読解力!読解力を育むのは読書以外にはありません。

 

 ここのところ、親の経済力が子供の学力や教育格差につながっているという話題がをよく目にするようになりました。たしかに、塾や家庭教師など、経済的に余裕のある家庭なら、子供の学力不足を補う選択肢は広がるでしょう。

 しかし、こうした経済的な格差を是正する手段の一つとして「読書」が挙げられているのにとても興味がわきました。

 私はけして経済的に豊な家庭で育ったわけではありませんが、「読書の喜び」は子供のうちに教えられました。欲しい本を買ってもらえなかったことはないし、これは偶然ですが、図書館も家のすぐ近くにあったので、本はとても身近なものでした。

 カナダに行ってからも、(これも偶然ですが)、いつも家から徒歩圏内に図書館がありました。名古屋に来てからは・・・・残念ながら、一時間に一本のバスに乗って45分。もしくは自転車で30分の分室と、ちょっと悲しい状況です。

 というわけで、慈雲寺の山門のところに、本棚を置いてミニ図書館にしています。本堂でお茶を飲みながら読んでも良いし、自宅へもって帰っても結構です。

 読み終わったら、返却してくださっても良いし、ご自分の読んだ本と交換も歓迎です。いろいろな方からご寄付もいただいているので、内容もさまざまです。

 ぜひ一度、お立ち寄りください。どなたでも歓迎いたします。

 

 仏教は「言葉」をとても大切にします。経典に記された仏の言葉、「仏語」を味わい、教えを受け止めるためには、柔軟な思考と知的好奇心が不可欠です。

 そして、「他人」、「相手」を思いやる気持ちが大切です。この言葉を発することで、どのような事態が起きるのか、常に考えて発声しろとお釈迦様はお説きになっています。

 「そんなつもりではなかった」とか、「悪気はなかった」とか言っても、一度発音された言葉は、刃にも毒にもなるからです。

 仏教では、柔らかで暖かく、思いやりのこもった「愛語」を発するのは、大切な布施の修行の一つだと教えています。