ようやく秋(というか、初冬?)らしい空になってきました。
私は、ぼんやりしたい時、よくYouTubeのショート動画を見ます。AIがおすすめしてくる動画を次々眺める(見るというほど注目しているわけではないので)のですが、このごとなぜか「金運爆上がり!」と大騒ぎする動画がしばしば選ばれます。
いよいよ本堂の修理を始めようということになったので、私の潜在的な欲望をAIに見破られているのでしょうか?
この手の動画は、まず、少し手の込んだCGで龍神さまなどの絵が映し出され、「龍神様の波動を送ります!画面を連打して受け取ってください!」と叫ぶ声がします。さらには「この動画は最後まで見て下さい。途中でやめるとご利益がいただけないばかりか、呪われます」なんて、脅してくることもあります。
もちろんこれは、動画の視聴回数を伸ばそうとする作戦です。画面を連打させれば、それだけ再生数が増えるし、動画を最後まで見てくれるように誘導するのも、視聴時間が長いほど、動画投稿者の受け取る収入も多くなるわけです。
というわけで、かなりこそくなマーケティングなわけですが、なかなか手の込んだものも多く、一回それを見てしまうと、AIは大喜びで次々と同じような動画を進めてきます。
どんな人がこんな動画を見ているのでしょう?
暗い部屋で、必死の形相でスマホを連打している人などいないことを願いたくなりますね。
仏教は、自分の行動、思いの結果は、自分自身で引き受けると教えています。「自業自得」ですね。自業自得というと、何だか悪いことばかりに使われるようですが、もちろん良い行いによって生まれる善業には善果が生まれるのです。
自分の人生を変えたいと思ったら、スマホの画面を連打するより、他人のために何か良いことをしてあげましょう。利他の心、利他の行いは、必ず善果を生むきっかけになるからです。
あ、でも、「見返りを求めない」ということが本当の利他の行いです。何か良い見返りを期待して行う「善業」は、本当の「善業」とは言えません。煩悩にまみれた私たちにとっては、ここが難しいところですね。