先日、最近50代と思われる男性が「相談があります」とお寺を訪ねて来られました。相談とは「お墓を整理したい」とのことでした。
お話を聞いているうちにわかって来たことは・・・
「墓じまい」をしたら、現在お墓に入っているお骨はそのまま「廃棄」しても良いと思っておられるようでした。
「お墓をお返しいただくのはかまいませんが、お骨の行先を決めなければいけませんね。もう探していらしゃいますか?」と聞くとビックリしておいでのようでした。
さらに、「あなたも、お子さんもおいでのようなのに、お墓を整理するのはなぜですか?息子さんがお墓を守っていきたいと思われるかもしれませんよ。」と聞いてみると、彼は「私は子供をお墓参りに連れて行ったことはありませんから、子供たちがお墓に興味を持つとは思えません」とのお答えでした。
予想外のお答えだったので、私は絶句してしまいました。「お墓参りに連れて行ったことがない」と言った時、彼は少し「誇らしげ」の表情さえしていたようにも感じました。私の思い過ごしだと良いのですが・・・
う~~ん・・・この方は自分の死について思ったことはないのかなぁ。
お墓を整理したい理由も「いらないものを始末したかった」とあっさりおっしゃいました。聞いていて、とても哀しくなりました。
このブログにも何度か書きましたが、私にとっては「お墓参り」は、いつでも楽しいイベントでした。母方の親戚の多くは東京郊外の広大な公営墓地にお墓があったので、祖父のお墓参りをした後は、曾祖母や大叔父のお墓に次々とお参り。途中の広場でお弁当を食べて、何だかピクニックのようでした。
父方の親類は青山墓地にお墓があり、祖母の遺骨も分骨されていました。青山にお参りに行った後は、周辺のおしゃれなカフェやレストランに連れて行ってもらえましたし、父のボーナスの後だったら、洋服を買ってもらえるかも??と楽しみは倍増しました。また、宮田家はもともと広島の山奥の出身。何年かに一度、ご先祖のお墓にお参りに田舎に行くのも楽しかった・・・・というわけで、お墓参りは「面倒なこと」ではなく、楽しい思い出ばかりです。
自分の先祖の話を聞くのはいつでも興味深々。思わぬ共通点を見つけて、{DNA恐るべし」なんて笑いたくなったりするのも楽しい。
お墓参りの楽しさを知らずに育つ子供は何だか気の毒なように思えてきます。
祖先に興味が無ければ、生きている親戚づきあいも、きっと面倒だと思うのでしょうね。従弟やまたいとこ、はとこたちと仲良くするのは、楽しいけどなぁ・・・・
そうそう、私は今年も年末に、従弟の運転で母と叔母を連れて温泉兼墓参りに行く予定です。楽しみ!