私を僧侶にしてくださった、最初の師僧である橋本上人は、弟子を二十人以上育てた方です。自分の子供を弟子としてお寺を継がせるのが大半の、今の仏教界において、在家からこれほど多くの出家者を育てた方は稀有の存在と言ってよいでしょう。
弟子を育てるのは、精神的にも経済的にも大きな犠牲が必要だからです。
私はこの橋本上人の13番目の弟子です。先日、その兄弟子との会食会が開かれました。どの兄弟子も、皆、それぞれの分野で僧侶として、説教師として、学僧として優れた方です。本山の行政面での有力者になられている方もいます。
多くの兄弟子たちに比べると、なんとも非力な私ですが・・・・兄弟でこうして仲良く食事ができるのは嬉しい。話題は宗門の将来、お寺の将来、布教の話が続きます。
師僧が、こんな風に遠慮なく語り合える人たちに深いご縁を作って下さったと思うと、自分がどれほど恵まれているのかしみじみと感じます。
このご縁を次の世代につなげていくのも、大切なことです。自分に何ができるのか、じっくり考えてみたい・・・と、思っていたら、兄弟子の一人から「考えている暇があったら、まず境内や本堂の掃除しなさい。磨いている間に見えてくるよ。掃除の行き届いていないお寺にお参りに来たくならないでしょう?」と言われてしまいました。
おっしゃる通りですが、今日もバタバタして、山門前を掃くこともできませんでした。反省・・・・
◎今日の写真は兵庫県の出石焼きの土瓶についていた犬(獅子かな?)です。