慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

仏花が結んでくれたご縁

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上の写真は近くのため池に咲いたスイレンです。残念ながら、この池はゴミがいっぱいで、モネが描いたような蓮池ではありません。それでも、花は懸命に咲いています。花の下の方に虫がたくさんいるようです。花も命、虫も命・・・雨が降り始めたら、この虫たちは溺れてしまうのでしょうか?

 

 花といえば、今日は仏様にお供えする花が、不思議なご縁を結んでくれました。

 本堂にお供えしている花は、こまめに水を替えてあげなければいけません。夏の間は特にです。しかし、怠け者の私はつい忘れてしまいがち。

 お昼近くなって、気温がだいぶ上がってきたので、仏花の水替えをしなければと本堂へ向かいました。すると、本堂に男性が二人。

 「ごゆっくりお参りなさってください。」とお声をかけると、「少し、お話させていただけますか?」というお返事です。喜んで!と近くに寄ると・・・

 なんと、岐阜県からおいでになった浄土真宗の僧侶の方でした。どうやら、先日、中日新聞に掲載していただいた私のエッセイを読んでくださって、訪ねて下さったようです。

 この方のお寺では、毎月寺報を発行されているのですが、来月号に、私のエッセイを抜粋して紹介して下さるようで、発行前のものを見せて下さいました。

 ライターにとっては、とてもありがたいことです。抜粋を見ると、その方が私の文章のどこに興味を持ったかが良くわかります。感想を聞かせていただくことは時々ありますが、このように「読者の視点」がはっきりわかるようなことはめったにありません。

 それだけに、とても嬉しく、この寺報は大切にさせていただこうと思いました。

 

 「突然思い立って、息子に頼んで連れてきてもらいました。事前にお約束もしていなかったので、この寺報にメモを添えて置いて帰るだけのつもりでした。」と、その方は穏やかなお顔でおっしゃいました。

 私が仏花のお水を替えようと思わなかったら、お目にかかれなかったかもしれませんね。

 なんでも「ご縁」と結びつけてしまうのは、どうかな・・・と思いますが、今日の嬉しい出会いは、確かに仏様と仏花が作って下さったご縁でした。

 暑くて、過ごしにくい一日でしたが、心は穏やかで嬉しい気持ちでいっぱいになりました。