慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

4月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、4月21日(日)10時より行います。テーマは「法然上人がひらいた『浄土門』とは何か。Part 3 」です。法然上人の弟子、弁長、親鸞、証空が、師の教えをどのように受け止めていたのかをご一緒に学びましょう。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

旅に行かれないから「極楽」見物 Part 1

    様々なバージョンの「當麻曼荼羅」が展示された特別展

 

 私は40年以上、旅行ライターとして糊口をしのいできました。伝統的な意味での「檀家」がゼロの慈雲寺の住職になった後も状況は同じです。

 仕事の多くは北米各地の取材でしたが、日本に戻ってからも社寺の取材などを中心にお仕事をいただいていました。

 しかし、コロナ禍が始まって以来、海外はもちろん国内の旅もままならない状態が続いています。

 先日、「なんだか心が『こってる』みたい。」と友人に話していたら、「このごろ旅に行ってないからね。」と笑われました。そうかもしれないなぁ・・・と感心していたら、別の友人から奈良博物館で行われていた當麻曼荼羅の展覧会の切符を贈っていただきました。

 旅に出られないなら、極楽見物に出かけましょう!と私は大張り切り。奈良は、京都まで新幹線で行き、奈良線に乗り換えるのが速いですが、私は名古屋から近鉄で出かけるのが好きです。

 近鉄の特急の速度は当然新幹線とは比べ物になりませんが、それだからこそ景色を楽しむことができます。緑濃い地域を通っていきますから、ゆっくり眺めているだけで心が癒されてくるでしょう。旅が大好きな私は「癒し」というより「わくわく」感が勝っていますが・・・・

 私は本当に旅が好き。旅に出ていないと心が血行障害を起こしてしまうのでしょう。特急に乗ったとたんに”血の巡り”が良くなっているのがわかりました。

 

 もちろん「旅」は遠出しなければできないわけではありません。自宅からでも、「角を曲がれば大冒険」と思っています。

 しかし!今年の名古屋周辺はいつもにも増して蒸し暑く、少し歩くだけで熱中症になりそうな感じ。散歩もままならない状態だったので、「ご近所旅行」もなかなか楽しめませんでした。

 冷房の効いた特急列車だからこそ、旅のわくわく感が高まったのでしょう。(つづく)