上の写真は、第二次大戦中の1943年、ニューメキシコ州の乾燥地帯に建てられた広大なロスアラモス国立研究所の写真です。この研究所は、マンハッタン計画と名付けられた原子爆弾の開発のための研究施設でした。ここには、アメリカ全土から優秀な物理学者やエンジニアが2500名以上集められていました。
研究の中心になっていた人々以外には最終的な目的を知らされてはいなかったそうですが、研究を進めるうちに多くの人々が何を開発しているのか気が付いていたようです。
20年以上前のことになりますが、私は広島県出身の父の運転で、この研究所跡に設置されていた博物館の取材に訪れました。父は終始無言で、広島型の原子爆弾の模型を見ていました。
私は、ロスアラモスの研究員たちの日常を映した写真が強く印象に残っています。特に楽しそうな表情で野球をする人たちの写真に胸を打たれました。原爆投下後、この写真に映っている人々はどんなことを思ったのでしょうか?勝利の喜び?それとも?
今年も世界に平和は訪れることはないのに、広島平和記念日を迎えました。朝の勤行の時に原爆犠牲者の供養の読経をすることしかできない自分をもどかしく思いました。