慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、9月16日(月・祝日)の10時から行います。どなたでも歓迎いたしますので、お気軽にご参加下さい。

外は久しぶりの雨。お寺の役割を改めて考える

 外は雨。本当に久しぶりの雨です。涼しいせいか、朝からクルクル動き回る気力が出ています。

 慈雲寺では、毎月一回、身近な話題から仏教のものの見方、考え方をお話する会を行っています。今月はお墓の歴史や未来のことを話題に取り上げました。

 36℃という酷暑の日。風が通るとはいえ、扇風機しかない本堂に集まっていただくのは申し訳ない気持ちになるほどです。

 さて、この「お話の会」や中日文化センターの講義に、現職の僧侶の方が参加して下さることが時々あります。ちょっと恥ずかしいし、緊張もするけど、他宗の僧侶の方と会えるのは嬉しいことです。

 先日のお話の会にも、曹洞宗の尼僧様が来てくださいました。厳しい尼僧道場での修行を終え、先代さまから住職を継いだばかりの方でした。この尼僧様のお寺は、慈雲寺と同じように檀家ゼロのお寺だとか。しかし、このお寺の「場」を生かして、何か人々に役に立つことはないかと模索しておられるそうです。

 すでに、認知症の患者と共に生きる方々に、互いの体験を語り合う場を提供しているそうです。お寺という静かで穏やかな環境で、胸の内を語り合えるのは、難しい状況に日々取り組んでいる方々にとって、大きな励ましになるのではないでしょうか。

 お墓の未来についてのお話を準備しているとき、改めて思ったのですが、全ての僧侶、とりわけ住職は、お寺の役割というものを常にしっかり考えるべきだと思います。

 ご先祖の供養は、もちろん僧侶の大切な役割ですが、生きている人々が穏やかで苦しみ少なくすごすために「役に立つ教え、役に立つ寺」を心がけることが僧侶の第一の役割ではないでしょうか?

 そうは思っていても怠け者の私は毎日だらだら過ごすばかりで、どれほど「役に立つ」のか、はなはだ心もとない状況です。