
慈雲寺の山門には本棚が並べられています。「慈雲寺文庫」と名付けたミニ図書館。借りていくのも、返却するのも、しないのも自由。本堂でお茶を飲みながら読んで下さるのも歓迎というシステムです。
並んでいる本は、私が読んだ本を置いたのが始まりですが、今はほとんどの本がみなさんの御寄附です。
自分で選んだ本ではないので、以外な本との出会いがたくさんあり、私もこの「慈雲寺文庫」のヘビーユーザーです。
今週の出会いは片田珠美さんの『孤独病 寂しい日本人の正体』という集英社新書の一冊です。
片田さんは精神科医ですが、「つながりたい・・・認められたい・・・愛されたい・・・・そんな激しい飢えが全身からただよう」患者と出会うことが多いと語ります。
「困ったことに、そういう飢えは、たとえつながっても、認められても、愛されてお、なかなか満たされない。どうすれば飢えを満たせるのかわからなくて悩む方も少なくないようだ。」と書かれています。
「孤独であるがゆえに不安になったり、落ち込んだりして診察を受けにやって来る」人が多いと片田さんは語り、その孤独感を「飢え」という強烈な言葉で表現しています。
「孤独」は仏教にとっても非常に重要な問題です。ただし、仏教では孤独を一概に「悪い状態」だとは見ていません。仏教は、自分自身を向き合うことを重視しますから、時には一人でいることが大切だからです。
今日の冒頭に掲げた写真の庭「信楽庭」は、煩悩の海の中に離れ離れに浮かんでいる私たちの姿と、その向こうに広がっている極楽世界を表しています。
朝の光の中で、この庭を眺めると私たち凡夫の孤独がひしひしと胸に迫ることがあります。しかし、荒れ狂う煩悩の海の向こうには、極楽が広がっているのです。
今日からしばらく片田さんの本を読みながら、「寂しい人」について学んでみようと思います(つづく)