2015-01-01から1年間の記事一覧
慈雲寺のご本尊はお立ち姿の阿弥陀如来です。江戸期の作と思われますが、全体が黒く変色し、あちこちに焼けたような跡が見えます。慈雲寺には大正時代に書かれた『慈雲寺縁起』という書物があります。この本には、残念ながら、ご本尊の由来についてほとんど…
先日、ある方とお話しをしていました。とりたてて特別な話題ではなく、軽い“茶飲み話”のような感じだったのですが・・・しばらくすると、なんとなく違和感を感じるようになりました。話し方は上品だし、とりたてて誰かの悪口を言うわけでも、愚痴というわけ…
ご近所の方が三色団子を持って訪ねてくださいました。さっそくお茶を淹れて一休み。私はスアマや外郎のように、小豆餡の入っていない和菓子が好きです。三色団子もほのかな甘みだけ。贅沢な和菓子ももちろん嬉しいですが、こんなシンプルなのもおいしいです…
今日は三連休の中日だったので、何人の方がいらして下さるかなぁと思っていましたが、30人以上の方々が集まってくださいました。みんなで短いお経をいっしょにとなえるのはとても嬉しいことです。 今回は「仏教がこころというものをどう見ているか」というテ…
11月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は11月22日日曜日、午前10時より慈雲寺本堂で行います。どなたでも歓迎いたしますので、ぜひお気軽におこしください。 今回のテーマは「仏教は“心”というものをどうとらえているか」です。自分の心のはずなのに、自分で…
昨日からずっとニュースを追っています。先週、コロンビアから帰国するとき、パリの空港で飛行機を乗り換えたばかりです。幾つかのスポーツイベントも中止になったようですし、スポーツや観光は平和でなければ成り立たないものだと、改めて思いました。 新聞…
慈雲寺の属する西山浄土宗の総本山光明寺は紅葉の名所として知られています。特に、数年前と今年、JR東海の「そうだ 京都行こう」キャンペーンのポスターやTVCMに登場するようになって、一挙に参詣客が増えました。普段は入山料などもなく、どなたでもお参り…
パラリンピックの出場権をかけたボッチャという競技の国際大会が先日、コロンビアのキトという都市で開かれました。日本からも3人の選手が参加し、私も通訳として同行させていただきました。大会の公式言語は英語ですが、スペイン語を話す人がほとんどでした…
おs 日本に戻って来て1年半ですが、未だに慣れない言葉がいくつかあります。「みんな」というのもその一つ。特に「みんなが言っている」と言われると、大勢の「みんな」が言っているのかと、もともと気が小さい私(?)はオロオロしていまいます。でも、「…
法蔵菩薩さまは、私たちすべての凡夫を漏れなく救うと誓いを立てられ、その為に必要な修行や懺悔を「五劫」もの長い、長い間、私たちに代わって成し遂げて下さり、とうとう阿弥陀仏になられたのです。 この「五劫」というのは、どのぐらいの長さなのでしょう…
10月26日、11月1日の記事の続きです。 『二河白道の図』には、さまざまなバージョンがあります。基本的な構図は前回お話しした通りですが、どれも少しずつ違うのが面白いのです。例えば、今回の勉強会で使わせていただいた掛け軸の絵では、二つの河の中は燃…
(10月26日の記事の続きです。) 先日お説教の勉強会で絵解き説教をする機会をいただきました。「絵解き説教」とは経典などに出てくる物語を絵にしたものや曼荼羅などの掛け軸を見せながら、その開設を基におこなうお説教です。 今回はその代表的な図の一つ…
仏教の経典は、ほとんどの場合、一つのストーリーが語られています。ですから、経典の現代語訳の本を見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。特に『観無量寿経』というお経は親子の葛藤から物語が始まっていて、やがてすべての凡夫が阿弥陀仏によって極楽…
先週、慈雲寺が属する西山浄土宗の総本山光明寺で「教階審査」というものがありました。10月24日の記事にも書きましたが、これは僧侶の中で説教師の道を選んだ人たちに与えられる試験のことです。 私は9年前に一番し下の「補教」という資格をいただきま…
昨日は尾張一宮の常念寺という大きなお寺で御十夜の法要がありました。御十夜は、お釈迦様がお勧めくださったさまざまな善行を行うことがとても難しいこの現世の中で、信仰を同じくする者が励ましあって徳を積むために集まるものです。以前は10日間にわた…
インフルエンザから始まった“不調”の10月は、残念ながらまだ続いています。インフルエンザと軽い肺炎は治ったのですが、まだケホケホ・ゴッホンの咳が続いています。どうやら、アレルギー性の喘息に移行したらしい・・・情けなさすぎる。 青菜に塩状態で過ご…
今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、10月18日(日曜日)午前10時より慈雲寺本堂で開催いたします。 今回のテーマは「法蔵菩薩って誰ですか?」 一切の条件を付けずに私たちを極楽へ迎えとってくださる阿弥陀さまの前身は、ある国の国王でした。深い慈…
「サボテンに襲撃された!」なんて記事をアップして以来、2週間も沈黙していたので、いろいろな方から「どうしたの?」とメールをいただきました。 実はインフルエンザと軽い肺炎を併発、すっかりへたばっておりました。爆撃のように大量の抗生物質を飲んだ…
先日、気持ちの良い朝に散歩をしていたら、巨大なサボテンに出会いました。もう少しで華麗な花も咲くようで、つぼみでも十分に迫力のある美しさでした。 私はサボテンが大好き。カナダにいるときも家の小さな温室を作ってサボテンを楽しんでいました。取材に…
仏教徒は僧侶であっても、在家の人であっても、必ず守らなければならない五つの「戒」があります。 不殺生戒(ふせっしょうかい) - 人や動物など、生きているものを殺してはいけない。 不偸盗戒(ふちゅうとうかい) - 自分のものでないものを盗んではなな…
慈雲寺の属する西山浄土宗の宗祖は、日本で絶対他力の浄土教を確立した「法然上人」です。このブログで法然上人のことに触れるとき、必ず「法然房源空上人(法然上人)」という風に書いています。「なぜそうするのか?」というご質問をいただきましたので、…
Part 1でお話ししたように、説教師には幾つかの段階があり、本山で行われる重要な法要や、御法主(宗門の長)の名代として各地に派遣される説教師になるには資格が必要です。 私は今、説教師の入門段階から一つ階段を上がったところにいますが、来月の審査で…
たった70年前、日本が“敵”としてきた国や人々に強いた犠牲はもちろん、日本人自身が体験した戦闘死、熱帯や極寒の地での餓死、主要都市の爆撃被害、原爆、旧ソ連や中国、アジア各地での抑留、引き上げなど、ありとあらゆる犠牲を払って憲法九条を作り、「海…
宗派によってシステムには違いがあるでしょうが、慈雲寺が所属する浄土宗西山派(西山浄土宗)では、僧侶の専門分野は大きく三つに分かれます。 宗門つかさどる宗教儀式の伝統を継承する「法事司」。宗派の教えを学問的に深める「学僧」。そして、その教えを…
安保法案が参院特別委員会を通ったというニュースを暗い気持ちでみています。この法案が提出されて以来、一貫して感じられるのは、首相や政府、与党の人々が「どうせ過半数なんだから議論はしてもしなくても同じ」というきわめて傲慢でなげやりな姿勢でした…
私の父は80歳を越えてからマックを入手。パソコン時代に突入しました。私の従弟が設定から初期化、操作のてほどきまで、とても丁寧にやってくれたのです。以来、父はビデオの編集をし、毎朝お気に入りの「トキの生態観察」のHPを読み、私にも時々メール…
日曜日の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は30人以上の方々においでいただきました。暑さもすっかり和らいで、本堂を吹き抜ける風もさわやか。お寺に来ていただくのにもってこいの季節になりました。 今回のテーマは「お釈迦さまって誰でしょう?」。お釈迦さ…
9月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は9月13日(日曜)の午前10時より行います。毎月、さまざまなテーマを取り上げながら、仏教の歴史や文化、ものの考え方、仏教徒の生き方などの基本をご一緒に学んでみましょう。どなたでもご参加くださいませ。 今月のテ…
◎今日のお釈迦さまのお言葉 かれは世間では無所有だが 無所有を嘆かず (欲望に駆られて)いろいろなものを追い求めない。 彼は静かで安らかな人と呼ばれる。 今枝由郎訳 『スッタニパータ』より 昨日から台風18号の影響で、激しい雨が降り続けています。…
◎今日のお釈迦さまのお言葉 世の中は行いによって成り立ち 人は行いによって形成される。 車輪が轄(くさび)によって{車軸に}結ばれているように 生きとし生けるものは、行いに結ばれている。 今枝由郎訳 『スッタニパータ』より つい先日まで、夜が明け…