慈雲寺新米庵主のおろおろ日記

5月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」5月26日10時より行います。テーマは「御祈祷、お守り、お札とは何か」です。どなたでも歓迎いたします。お気軽にご参加ください。

2021-01-01から1年間の記事一覧

西国三十三箇所観音霊場の巡礼を始めました。その1

今熊野観音寺。泉涌寺の境内にあって、不思議な空間でした。 先月、二人の恩人の遷化(亡くなること)にあい、いろいろと思うところがありました。また、今年に入って、私の生活にも大きな変化が続いています。 そしてもう一つ・・・私は旅行ライターで糊口…

恩人を送る Part 3 中陰法要に癒される

京都の今熊野観音寺で見た菩提樹。菩提樹の葉がつくる木陰はとてもやさしげです。 先月遷化(亡くなること)されたM尼の中陰の法要で、このところ毎週名古屋市の中心部まで出かけています。慈雲寺から、Mさんが住職をなさっていたお寺まで行くには一時間に…

恩人を送る Part 2  中陰は何のため?

街の中をのんびり歩く牛。インドでは神聖なものとして大切にされているはずですが、あまり健康そうでも幸せそうでもなかった・・・ 先月、二人の僧侶が遷化なさり(亡くなること)、さまざまなことを改めて考えているところです。 その一人、Mさんのお寺と…

恩人を見送る part1

ベナレスで見たインダス川の朝焼け 先月下旬、私にとっては人生を大きく方向転換するきっかけを作ってくれた恩人S上人が遷化(亡くなること)なさいました。 私は浄土宗西山派(西山浄土宗)の僧侶ですから、Sさんは極楽へ旅立ち、やがて私もそこでお会い…

10月の慈雲寺の行事予定

ベナレスのインダス川岸辺で。船に乗って川の中央まで漕ぎ出し、神や祖先にささげものをする人が船着場に集まっていました。 遅くなりましたが、10月の行事予定をお知らせします。 コロナ禍の影響はまだまだ続くとは思いますが、緊急事態宣言は一応解除とな…

<死>から学ぶ生き方    栄中日文化センターでの一日セミナー

ベナレスの街角で見た、神への供物を売る屋台。 日本に戻り、住職になってから今までとは違う目でいろいろなものを見るようになりました。気になる言葉や事項も大きな変化がありました。 その気になる言葉の一つが「終活」です。この言葉は、今から10年前…

今日(9月26日)は彼岸明け・・・・當麻曼荼羅の御開帳の最終日です

當麻曼荼羅の模写。極楽の様子が美しく描かれています。 當麻曼荼羅は、観無量寿経に説かれた極楽の様子を描いたものです。曼荼羅ですから、すべての仏、菩薩、天人、建物や花など、描かれているものの全てがに象徴的な意味があります。慈雲寺の属する浄土宗…

中秋の名月は雲の陰

今年の中秋の名月は雲に隠されて眺められませんでした 昨夜(9月21日)は、旧暦(太陰暦)の8月15日。旧暦では7月から9月が秋なので、8月15日はちょうど秋の真ん中というわけです。この時期は空気が澄んで、月が輝きを増すので、中秋の名月と言われるように…

彼岸花が咲いて、極楽への「白い道」を彩っています

豊田市の紅葉の名所香嵐渓を散歩していたら、開き始めたばかりの彼岸花にであいました。 今日は彼岸の入りです。朝からお墓参りにおいでになるご家族が次々と・・・おはぎや彼岸団子をお供えして下さるかたもいらして、「こちらは庵主さんの分!」と嬉しいサ…

目からうろこが落ちた!これだから古本屋さんはやめられない!

古書店が消えていくのは本当にさみしい・・・ 毎月一回、鳴海駅の近くにある中日文化センターで講義(というほど立派なものではありませんが・・・)をさせていただいています。このセンターのお隣に「鶴亀二号」というなんとも不思議な名前の古書店がありま…

極楽ってどんなとこ? 秋彼岸の『當麻曼荼羅』御開帳

極楽(彼岸)の姿を描いた『當麻曼荼羅』 『當麻曼荼羅』は、「観無量寿経」に基づいて極楽の様子を描いた、観経曼荼羅の一種です。しかし、この曼荼羅は中国の浄土教を確立し、法然上人に大きな思想的影響を与えた善導大師が、観無量寿経の解説をした「観経…

ゴーヤが花とおいしいパンに変身・・・わらしべ長者気分の一日

ガンジス川の朝焼け 慈雲寺の周辺には、畑や果樹園で作物を作っている人がまたたくさんいます。家族で食べる分だけとか、販売は農協の朝市や自宅の前の無人スタンドでだけ・・・という規模の方が多いようですが。 それぞれの作物の「初物はお供え」と、お寺…

怨みを捨ててこそ怨みは止む・・・9.11から20年の日に思う

アフガニスタンは、もともとシルクロードの要所として、仏教も盛んな美しい国でした。 昨日の9月11日は、米中枢同時テロが起きてから20年を迎える日でした。あれからさらに激しくなった米国による「対テロ戦争」は、100万人以上の死者を出しても、結局成果(…

お位牌について相談を受けました Part 3

ブッダガヤで見た壁画。お釈迦様の涅槃の様子を描いたものでしょう。 お位牌について考えていたら、数年前に聞いたお説教のことを思い出しました。 私は宗派にかかわらず、僧侶のお説教を聴く機会があれば、できるだけ参加させていただきたいと思っています…

お位牌について相談を受けました。 Part 2

沖縄の伝統的なお位牌を描いたイラストです。ご先祖の戒名が並べて記されます。 ご主人が急死なさって、心がまだ少しも落ち着かないうちにお位牌を用意しなければならなくなったAさん。立派なお位牌が出来上がりましたが、どうもしっくりこない。ご主人単独…

お位牌について相談を受けました Part1

お位牌にはさまざまな形、デザインがあります。自分の気持ちにしっくりくるものを選びましょう。 慈雲寺は浄土宗の西山派(西山浄土宗)に属するお寺ですが、伝統的な意味での檀家はゼロなので、いわゆる「村のお寺の僧侶」として色々な方のご相談を受けます…

「終活」についてお話する機会をいただきました。

ベナレスの街角で見た、神様への供物用の蝋燭屋さん。これをガンジス川に流します。とても哀れで美しい灯りです。 昨夜は久しぶりにエアコン無しでぐっすり眠ることができました。体調は良好。やはり睡眠こそが全ての元気の源ですね。 今朝もとても涼しくて…

9月の慈雲寺の行事のお知らせです。「の」が多すぎる・・・・

ベナレスの道端で売られていた素焼きの小さな壷。たぶ神様のお供えに使うのではと思うのですが、素朴でいいなぁ・・・と思いました。用途をご存知の方があったら、ぜひ教えてくださいませ。 相変わらず日中は暑いですが、朝晩は少し楽なので、早寝早起きこそ…

ひっそりと「秘仏・地蔵菩薩像」の御開張・・・

インダス川の神々や亡き人を偲ぶ供物の花 毎月24日は地蔵菩薩の縁日です。とりわけ旧暦の7月24日は地蔵盆として、この日にお地蔵様にお参りすると功徳があるといわれています。 今私たちの使っている暦では、8月31日が今年の旧暦7月24日です。 本当は子供た…

新聞の占いが心に響き過ぎる!?

ベナレスで見た、神への捧げ物用の花屋さん 私が属する浄土宗西山派(西山浄土宗)では、浄土真宗のように占いを厳しく禁じているわけではありません。おみくじを扱っているお寺もありますし、慈雲寺にもとてもレトロなおみくじがあります(あまりおおっぴら…

今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」のテーマは「戒名・法名」です。

ベナレスの街から眺めたインダス川の夜明け 今朝は少し涼しい・・・こうして暑い日、ほんの少し涼しい日が繰り返されて、いつのまにか秋になっていくのでしょう。 さて、今月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」は、8月29日10時より行います。テーマは、戒名や…

地蔵盆のお知らせ: 8月31日、慈雲寺の秘仏「地蔵菩薩像」の御開帳を行います。

旧暦の7月24日は地蔵盆。今年は8月31日です。 お地蔵様は、地蔵菩薩という菩薩様で、地獄まで降りていって私たちに救いの手を差し伸べてくださる優しい方です。 慈雲寺にも境内の入り口と、墓地の入り口に地蔵堂があります。江戸時代に道の分かれる場所など…

8月の「尼僧と学ぶやさしい仏教講座」(8月29日)のおしらせ。今月のテーマは「戒名」です。

インドのブッダガヤでいただいたモーニングティー 愛知県にも緊急事態宣言が出されそうなので、今月の仏教講座を開くべきかどうか思案していました。しかし、今日の中日新聞に講座の告知が出ましたので、中止にして無駄足となってしまうのも申し訳ないので、…

魚のおいしい土地の近くに住める喜び

海の幸がテーブル一杯のランチ! 慈雲寺は住所は名古屋市内ですが、知多半島の北端に位置していると言った方が正確ではないかと思っています。 ここに赴任する以前、知多半島のお寺で何度かお説教をさせていただく機会に恵まれました。その度にそれはそれは…

今日(8月22日:旧暦7月15日)は「赦罪大帝」がやって来る!?  満月写経の会のお知らせ

中元は道教由来の行事。太陰暦の7月15日に贈るものです。 お中元を贈る習慣は、もともとは道教の三元説に基づいた宗教的な慣習でした。道教では一年を三つの「元」に分け、それぞれを司る神を祭ります。太陰暦(旧暦)の7月15日は赦罪大帝がおいでになる中元…

今日から本当の(?)お盆。徳の高いお坊さんに会いに行こう!

インドのベナレスの町。人はせかせか、牛はのんびり。 お盆の仏教的な根拠となっている『盂蘭盆経』によれば、太陰暦(旧暦)の7月15日は、夏の修行期間を終えた僧侶たちが、その期間中の自分の行いについて反省する「自恣」の日です。この日に徳の高い僧侶…

今日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」。哀しみの雨の一日・・・・

和歌山の穏やかな海です。世界の全ての人が穏やかに暮らせる日が早く来ますように。 「お盆のお参りのご相談に応じます」というポスターを出してみたら、「突然で申し訳ありませんが、今からお願いできますか」と声をかけて下さる方が毎年少しずつ増えていま…

新しい花が飾られたお墓を眺めるのは嬉しい・・・

「丁寧に墓掃除をすると、とてもさわやかな気持ちになれる」と語る方がたくさんいらっしゃいます。 名古屋周辺は警戒警報が出るほどの雨が続いていますが、小降りになるのを見計らうようにお墓参りにいらっしゃる方々が続いています。 慈雲寺は成立は少々特…

アライグマの侵略!桶狭間は野生の王国なのか?!

実物はこんなに可愛くて、間抜けな顔ではなく、凶暴そうだった! 先日の夜更け、読書をしていたら台所の勝手口の辺りからポリポリという音が聞こえました。 ああ・・・また野良猫がどこからか侵入して猫のドライフードを食べているのか・・・ と思ってソッと…

お盆っていったいいつが正式? Part2

お盆の精霊棚の設えや供えものは地方によって大きく異なります お盆は、その仏教的根拠となっている『盂蘭盆経』に従って行うなら、太陰暦(旧暦)の7月15日。つまり7月の満月の日ということになります。 私たちが今使っている太陽暦でいえば、今年のお盆は8…